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Vol.02:敷地の調査

地主の土地活用 / 賃貸併用住宅 / RC外断熱
NO.19_SY-HOUSEができるまで
(2004/夏)

まずは、実際に現地に足を運び、敷地調査することからはじめました。(2004春)

都心の高級住宅地の、通りの裏手に位置するこの敷地は、都会の空白のような場所でした。

以前に、おそらく相続税対策で手放された敷地で、いわゆる旗竿敷地と呼ばれる形状でした。
通路幅3メートル、長さ約20メートルの先に建築可能な敷地があります。従ってここは道路から見えない、静かな環境にあります。加えて、高さ6メートルの高台にあり、視覚的に開放感がある建物が可能な場所でした。
ただし、北下がりの敷地なので、日影規制に対処する必要があります。

敷地のメリット、デメリットともに、強いインパクトのある敷地です。

この敷地を料理していくには、クライアントと建築家の強い意志が必要だと感じました。


敷地調査1

 


敷地調査の報告




4/2,3日に現地調査を行いました。

閑静で眺望が良い環境である一方、北側の擁壁の安全性確保、建物の安全確保を行うために、高度な技術的な判断が必要だと思われました。その意味で、2日目に建築構造の観点から、構造デザインの山領氏に現地を見ていただきアドバイスをいただきました。
ここでは、それらの判断を踏まえて、まとめてみました。

■法的なポイント
□一種低層による主に高さの制限
・日影規制 →南北に短く、東西に長い敷地形状は厳しい。
・平均地盤面 →地階の条件と、平均地盤面が下がることのバランスをどの辺で保つか。
・絶対高10M →平均地盤からの高さのため、タイトな計画となる。
・一種高度斜線 →同上



□擁壁の安全性を確保すること
・地震や大雨による崩壊が危険
・区役所の指導。ここままだと認可がおりない可能性がある。
・杭を打ち、擁壁に荷重を掛けない工法で建築する



敷地調査2


○敷地のメリット

・高台にあり眺望が良い。 →2F以上は、北側への視線が保てる。
・奥まっており、閑静な環境 →落ち着いた住宅が可能



△敷地のデメリット

・擁壁が脆弱 →上部大谷石部分は、取り替える必要あり

・南北に短い土地形状 →北側斜線の影響、日影制限で、北側が下がる形状なので、1F、BFの環境をいかに確保するか、工夫が必要


・通路幅が狭く、車の進入が便利ではない。電柱がじゃま。 →工事上、長い資材が入らない。大型車が入らない。通路から全て搬出入することという条件なら、小さなトラックで回数を多くしたり(土、生コンなど全て)、長いものは小さくして、現場で再結合するなどの必要性があり。非常に建築費がかさむ。

→入居者の立場で、使いにくい。ベンツクラス以上は、バックからしか入れないのではないかと思う。


敷地調査2


■敷地調査から総合的に判断して

1,北下がり、南北に短いなどの条件から、1F、BF部分の良好な環境確保の方法として、中央に大きなドライエリアなどをつくりたい。

○メリット
・BF、1Fの日照、通風の確保
・住居部分のプライバシの確保

△検討を要すること
・南側マンションからの視線。
・平均地盤が下がる。


2,日影規制を検討すると、視界が良好な3階建てが可能な部分は一部に限定される。


敷地調査4


3,住居部分は、良好な環境が作れるが、賃貸部分は環境的、条件が多少悪い。したがって、賃貸部分に対する比重を少しでも軽くする必要があると思われる。賃貸部分に対する採算を、どの程度考えられているか、全体予算と合わせて、総合的に、かつ冷静に判断する必要があると思われる。

・住居部分 156M2(47坪)
・賃貸部分 249M2(75坪)

以上です。

敷地調査5
 

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