 こんにちは、FTさん。建築計画網・大系舎の大戸です。 ご要望のメールいただきました。 いろいろなご要望があり、可能な限り対応しようと思っています。 早速メールのお返事です。 こんにちは、大戸さん、FTです。 今日は住宅に対する要望をメールしました。少し漠然としている部分もありますが、大凡の方向性をまとめてみました。実際、理想的な生活や、明確なビジョンを話すことは、大変不得意な性格ですので、矛盾する点もあると思いますが、よろしくお願い致します。 ☆初めからクライアントに明確な目標があるなら、いわゆる設計という行為は不要かもしれません。試行錯誤し、いろいろな発見をしながら進めて行くものです。設計とは、行きつ、戻りつの繰り返しです。 ともかく手や頭を動かさなければならないので、いただいた内容を手がかりにスケッチを進めていきたいと考えています。 1、自由できままな生活がしたい。 ☆FTさんのお考えは、良く分かります。 良く雑誌や新聞の広告に出てくるようなかしっとしたリビングルームの写真は、イメージの世界の話です、ピンときませんね。 私たち建築家が、"寛ぐ"と言うことをきちんと、建築的に表現しなければいけないと思いますが、一方近年急速に変化した家族関係や、価値観が"寛ぐ"ということに対し、きちんと焦点を結ばなくなって来たことも確かですね。 どうすればくつろぐことが出来るかということは、施主自身も分からなくなっている。家族のくつろぎとは、個人のくつろぎとは等々。そういった混迷の時に、高級なソファーセットのしつらえてある部屋が、記号として一人歩きしているのが現実ではないでしょうか。 リラックス出来るためには、魅力的なコーナーが必要なのは、良く理解できます。考えながらスケッチを進めて行くつもりです。  2、開放的で、どこにいても家族の息づかいを感じるシンプルな空間が欲しい。 ☆現代の木造住宅は、耐震壁という観点からある程度物理的な壁が必要になってきます。また不動産屋的視点からは、nLDKという部屋数の優劣を物差しにしている傾向にあるので、小割りの住宅が量産されるのだと思います。 そういった既成概念を一度横に置けば、いろんな住宅のパターンがあります。例えば、遊牧民族のパオなどは全く1室空間ですね。そこで様々な生活パターンを可能にしています。 室名ということをお考えになったことがありますか?リビングルーム、ダイニングルーム、勉強部屋などなど。つまり1つの空間を1元的に1つの機能と結びつけてしまうので、小割りで、機能の数だけ部屋数をつくるといったことが起きてしまいますね。これは比較的近年のことだと思います。 ノビノビとした空間を多様に、フレキシブルに使い分けることが出来ると良いですね。 開放的な空間が可能なように、壁を少なくするような技術的な検討を進めてみます。  3,持ち物が多い生活なので、収納が多く、手間が掛からないような住宅。 ☆良く雑誌などに出てくる、収納名人などといった記事がありますが、参考になることもありますが、それを維持していくには相当なパワーが必要だと思います。 一番良いのは、ものをなるべく持たないことですが、それも難しいのが現実です。(笑) 一度持ち物をメモして下さい。それをもとに考えてみようと思います。  4,自然の光と風を感じるすまい。 ☆この敷地の東南側は、緩やかな起伏のある畑から林に抜ける視線は、とても都会とは思えませんね。視線と明るさを上手くコントロールしてみようと思っています。  5,健康を害するような材料はなるべく避けて下さい。 ☆了解しました。最近の建材は、かなり改善されてきました。特に接着剤が良くないとのこと。ただし現代の建材は、無垢の自然材料だけでつくると、とんでもない価格になります。最近では、各種合板には、F1,EOなどといった基準が出来ており、これらの基準はクリアーするように心がけます。しかし、特に健康を謳い文句にした建材のなかで、高額なものもいくつか見受けられます。住宅のコストと相談しながら、可能な範囲で対応していきます。  6,家をつくるという経験、喜びを味わいたい。 ☆最近当事務所では、インターネットを活用した家づくりを積極的に進めています。特にコミュニケーションが重要な要素になりますね。インターネットというメディアを使えば、これまでバラバラだったクライアントと設計者と建築家をコミュニケーションを交わらすことで、個々をつなぎあわせることが可能です。インターネットを活用して、現場に対する参加意識を向上させることも可能です。  以上よろしくご検討下さい。 ?
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