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NO.13_FT-HOUSEができるまで

Vol.03:住宅への要望

(2002/春)

[2002/04]住宅への要望


 


こんにちは、大戸さん、FTです。
今日は住宅に対する要望をメールしました。少し漠然としている部分もありますが、大凡の方向性をまとめてみました。実際、理想的な生活や、明確なビジョンを話すことは、大変不得意な性格ですので、矛盾する点もあると思いますが、よろしくお願い致します。



1、自由できままな生活がしたい


自分たち家族の生活スタイルを考えると、いわゆるリビングルームと呼ばれる部屋は、どうも合わないようなような気がします。家のスペースのどこかで、寝ころんでいる、新聞を読んでいる、音楽を聴いているなど自由なで、気ままなくつろぎ方をしたいと考えています。そんな生活のシーンを楽しませてくれるような魅力的な空間や、またはそんなくつろぎを誘ってくれるような、ちょとしたコーナーが見つけることが出来るといいですね。新聞を読んだり、コーヒーを飲んだり、寝ころんだり・・・

ハウスメーカーの広告に出てくるような”素敵なソファーセット”で、紅茶をいただくといったことは私たちにはイメージできません。

もちろん、接客の必要があるときにでも対応できるスペースとしたい。イメージで言えば、今まで寝ころんでいたスペースが、瞬時に接客空間に変貌できるようなものを望んでいます。同じ部屋が、くつろぐ部屋でも、接客のスペースにも兼用することが出来るくらい、ルースで、ゆとりを持った空間が欲しい。もっとも全体スペースには限りがあるので、大きな空間を多様に使い分けることが出来るフレキシブルなスペースといったイメージです。
こんなスペースは可能でしょうか?





2、開放的で、どこにいても家族の息づかいを感じることが出来る、

シンプルな空間が欲しい



現在の多くの住宅は、小割りの部屋、例えば子供部屋などが子供の数だけある場合が多いですね。これはあまり好きではありません。前述のように、大きな風呂敷包みのような囲まれた空間を自由に使い分けていきたい。家族個人のプライバシーを緩やかに守りつつ、家族がどこに居ようとも、息づかいのようなものが聞こえてくる、感じ取ることができるような空間が欲しい。

私たち家族は、皆行動する時間帯は、すれ違うことが多いので、より一層そういったことを望むのかもしれません。私の仕事柄、家族がきちんと、規則正しく食事をしたり、団らんをするなんてことは、平日はほとんど不可能です。子供や家内も、自分たちの個々の仕事、習い事など、バラバラに外に出ることが多いのが現状です。

そういう意味では、家族の出入り口、つまり玄関のあり方を考えていただきたいと思っています。私の小さい頃の住宅は、縁側が主に出入りしていたので、いつでも人の出入りが見える状態でした。現代の玄関は、そっと入って、そっと出ていくことが可能ですよね。

今は、セキュリティーの問題があって難しいかもしれませんが、人の出入りもどこにいても感じ取れるような玄関のあり方、位置などの工夫は、出来ないでしょうか?




3,持ち物が多い生活なので、収納が多く、

手間が掛からないような住宅。



普段から、ものがついつい増えてしまいます。旅行のおみやげ、雑貨屋で買った小物などがついついたまってしまいます。そして普段の生活でも、ものを散らしてしまいがちです。そういったルースな生活にも対応できるような、手間が掛からない収納などを考えていただけると嬉しいです。

普段のくつろぎ空間と、接客空間を兼用したいので、瞬時に片づけが可能な空間にしていただけると助かります。 もともと家族全員が、ルーズな性格で、ものを散らかしたりする事がとても多いことがまずあります。
しかし、これは私達家族の習慣から直す必要があるのは言うまでもありません。

もっとも新しい住宅に引っ越す際には、一度持ち物を整理しようと思っています。





4,自然の光と風を感じるすまい。


自然の光の変化を感じることは、人にとって大切なことだと思っています。

大きな窓が欲しいという訳ではありません。最近非常に大きな窓の住宅を雑誌などで見かけますが、夏の暑さなどが心配です。窓の大きさだけではなく、位置、見える視線の先のモノなどが印象的な窓が好きです。

1日の光や風の変化が感じられるといいですね。

なるべく自然の光と風を中心とした住まいが欲しいと思っています。





5,健康を害するような材料はなるべく避けて下さい。


以前住んでいた新築の賃貸マンションで、アレルギーのようなものを体験しました。のどの渇き、目がチカチカする、咳がでるなどの症状が出ました。どうも一番怪しかったのは、押入の中、床のフローリング材です。日中日当たりが良かった日の夜などは特に体調を崩しました。多分有害物質に敏感な体質なのだと思います。聞くところによると、新車の臭いもアレルギーのもとになるようですね。可能な範囲でということでよろしくお願い致します。




6,家をつくるという経験のなかで、ものをつくる喜びを味わいたい。


私たちは、住まいをつくる過程も十分味わいたいと考えています。私たち家族にとって、自分達がすべきことは、なるべく対応するつもりです。ただしこれは、必ずしも私達が実際に金槌をもつと言う意味ではありません。

また職人さん達にも良い仕事していただければ、とても嬉しいと考えています。

家族が、他の多くの人とともに何かをつくるというイベントのチャンスは、なかなか味わえませんので、これを機会に是非堪能したいと希望しています。なにとぞご指導をお願い致します。



以上よろしくご検討下さい。
 


[2002/04]RE:住宅に対する要望


 



OOTO

こんにちは、FTさん。建築計画網・大系舎の大戸です。
ご要望のメールいただきました。
いろいろなご要望があり、可能な限り対応しようと思っています。
早速メールのお返事です。


こんにちは、大戸さん、FTです。
今日は住宅に対する要望をメールしました。少し漠然としている部分もありますが、大凡の方向性をまとめてみました。実際、理想的な生活や、明確なビジョンを話すことは、大変不得意な性格ですので、矛盾する点もあると思いますが、よろしくお願い致します。

☆初めからクライアントに明確な目標があるなら、いわゆる設計という行為は不要かもしれません。試行錯誤し、いろいろな発見をしながら進めて行くものです。設計とは、行きつ、戻りつの繰り返しです。
ともかく手や頭を動かさなければならないので、
いただいた内容を手がかりにスケッチを進めていきたいと考えています。




1、自由できままな生活がしたい。

☆FTさんのお考えは、良く分かります。
良く雑誌や新聞の広告に出てくるようなかしっとしたリビングルームの写真は、イメージの世界の話です、ピンときませんね。
私たち建築家が、”寛ぐ”と言うことをきちんと、建築的に表現しなければいけないと思いますが、一方近年急速に変化した家族関係や、価値観が”寛ぐ”ということに対し、きちんと焦点を結ばなくなって来たことも確かですね。
どうすればくつろぐことが出来るかということは、施主自身も分からなくなっている。家族のくつろぎとは、個人のくつろぎとは等々。そういった混迷の時に、高級なソファーセットのしつらえてある部屋が、記号として一人歩きしているのが現実ではないでしょうか。

リラックス出来るためには、魅力的なコーナーが必要なのは、良く理解できます。考えながらスケッチを進めて行くつもりです。


きまま


2、開放的で、どこにいても家族の息づかいを感じるシンプルな空間が欲しい。

☆現代の木造住宅は、耐震壁という観点からある程度物理的な壁が必要になってきます。また不動産屋的視点からは、nLDKという部屋数の優劣を物差しにしている傾向にあるので、小割りの住宅が量産されるのだと思います。
そういった既成概念を一度横に置けば、いろんな住宅のパターンがあります。例えば、遊牧民族のパオなどは全く1室空間ですね。そこで様々な生活パターンを可能にしています。

室名ということをお考えになったことがありますか?リビングルーム、ダイニングルーム、勉強部屋などなど。つまり1つの空間を1元的に1つの機能と結びつけてしまうので、小割りで、機能の数だけ部屋数をつくるといったことが起きてしまいますね。これは比較的近年のことだと思います。

ノビノビとした空間を多様に、フレキシブルに使い分けることが出来ると良いですね。

開放的な空間が可能なように、壁を少なくするような技術的な検討を進めてみます。


パオ


3,持ち物が多い生活なので、収納が多く、手間が掛からないような住宅。


☆良く雑誌などに出てくる、収納名人などといった記事がありますが、参考になることもありますが、それを維持していくには相当なパワーが必要だと思います。

一番良いのは、ものをなるべく持たないことですが、それも難しいのが現実です。(笑)

一度持ち物をメモして下さい。それをもとに考えてみようと思います。


もの



4,自然の光と風を感じるすまい。


☆この敷地の東南側は、緩やかな起伏のある畑から林に抜ける視線は、とても都会とは思えませんね。視線と明るさを上手くコントロールしてみようと思っています。

光と風



5,健康を害するような材料はなるべく避けて下さい。


☆了解しました。最近の建材は、かなり改善されてきました。特に接着剤が良くないとのこと。ただし現代の建材は、無垢の自然材料だけでつくると、とんでもない価格になります。最近では、各種合板には、F1,EOなどといった基準が出来ており、これらの基準はクリアーするように心がけます。しかし、特に健康を謳い文句にした建材のなかで、高額なものもいくつか見受けられます。住宅のコストと相談しながら、可能な範囲で対応していきます。

健康材料



6,家をつくるという経験、喜びを味わいたい。

☆最近当事務所では、インターネットを活用した家づくりを積極的に進めています。特にコミュニケーションが重要な要素になりますね。インターネットというメディアを使えば、これまでバラバラだったクライアントと設計者と建築家をコミュニケーションを交わらすことで、個々をつなぎあわせることが可能です。インターネットを活用して、現場に対する参加意識を向上させることも可能です。

よろこび


以上よろしくご検討下さい。