道路事業の影響で、移転を探していたFTさんから、新しい土地の候補が見つかったとの話を受け、現地の調査を行いました。 FTさんは、40代の自営業を営んでいる古くからの友人です。 家族構成は、夫婦と子供一人の3人家族です。 彼の土地探しの条件は、以下の通りでした。 ・35?40坪程度の広さ ・小学生の子供の学区を変えたくない。 ・庭に咲いている金木犀も思い出があるので移築したい。 以上の条件で、土地を探していましたが、ようやく希望に近い土地が見つかったようでした。  ・FTさんの旧宅。庭の真ん中に、こんもりと葉を広げているのがキンモクセイ。
この新しい敷地は、この時点では、まだ造成前で、畑の状態でした。 しかし近隣の雰囲気や、敷地から見える風景に、魅力を感じ、ここなら良いのではという返事をしました。 不動産屋との交渉で、設計者を選出来るようになりましたので、私に設計の依頼が来ました。 この地域は、法的条件は、特に第1種高度地域ですので、斜線制限が非常に厳しいのが難点です。 しかし、この土地から感じる清々しさ、景観の良さは、とても都内の場所とは思えません。 これらのメリットを最大限生かす設計を心がけようと思っています。  ・敷地予定地全景
■土地入手までの経緯 この土地にたどり着くまでには、いくつかの物件をリサーチしていました。 そもそも、FTさんは道路事業での立ち退きなので、公的機関が移転先を紹介してくれると思っていましたが、ほとんどそれは不可能だと分かりました。 それでは自力で探そうとしましたが、どれも帯に短し、襷に長しでなかなか決まりませんでした。 FTさんから相談されていた私は、不動産経由ではなく、知り合いの地元の工務店に相談したところ、たまたまその工務店が手がける条件付宅地分譲の土地が、候補地として浮上してきました。 FTさんにこの土地のことを知らせて、現地をリサーチしてもらいました。 彼はこの土地は、見た瞬間に腹が決まったとのこと。 全ての要素を比較検討したという結果に決まるというより、一瞬で決まることが多いように感じます。 もちろん土地購入は慎重に検討する必要がありますが、それは方向性が決まった後のこと。 今回は当初の設計者を変えて私でも良いという条件を、売り主の不動産屋と交渉して了解を得rことが出来ました。 しかし、一般的に、建築条件付の土地分譲の場合、売り主は建物で多くの収益を見込んでいるので、それをどの程度なのかが重要です。 今回は当初建物価格の10%という提示があったのですが、交渉の末その半額の5%まで減額してもらうことが出来ました。 施主の代理者である設計者は、建築価格を把握することが出来ます。 ですから、売り主の見込んでいる収益がすぐに算出できます。 しかし一般の方の場合、建築価格は見えず、交渉の術を持たないのが普通です。 このように、設計者が土地購入の当初から関わることは、土地購入の大きな障壁になる建築条件を妥当な金額で解除することに協力するなど、建て主には大きなメリットがあることが分かっていただけるでしょうか。 |
|
 ・敷地全景(現在畑)  ・敷地からの眺め  ・緩やかな起伏 これから造成工事です。 造成工事や、FTさんの移転スケージュルもあるので実際の設計は、来年春頃になりそうです。 ?
|