オンライン設計室
Vol:03:基本構想の提案
OM-HOUSE基本構想
	設計:建築計画網・大系舎
	 
	
	<模型写真1>
	
	 
1,敷地条件の整理
	■道路関係
	・西側前面道路は、0.9m通路を介して、4.0m幅の私道に面している。(法42条1-5位置指定)
	・南側は、幅4メートル弱の市道に面している。但し、建築基準法上、若干セットバックする必要がある。(法42条2項道路)
	  
	 
	 ■隣接建物
	・南側は、市道越しに広い公営住宅に面しており、陽当たり通風とも良い。
	・西側の建物は、3階建て。(西日除けになる。)
	・東側は、古い2階建て住宅であるが、北側が駐車場であり、この空きスペースを上手く使うと、陽当たり、通風とも良い居室が出来る。
	・近隣への影響として、第2種高度斜線が、重要な形態制限になるので、計画は慎重に行う。
	 そのためには、測量士によるきちんとした、敷地及び真北測量が必要です。
	2,法的な規制など(一般)
	2_1 第1種中高層住居専用地域・準防火地域
	・準耐火建築物が要求されます。
	2_2 建坪率は60% 容積率は200% または道路幅×0.4の小さい方
	・但しここでは、道路幅で容積率が決まる。4×40=160% が最大。
	2_3 有効採光(建築基準法施行令20条)
	・居室は、必要な有効採光が確保できる窓が必要です。
	
	<近隣写真1>
	
	
	<近隣写真2>
3,高さの規制に関するSTUDY
	
	3_1 第2種高度斜線 
	
	<高度斜線>
	3_2 日影規制 
	・高さ10m以下なら規制対象外
	3_3 道路斜線 
	・道路の反対側から、1 : 1.5の比率で規制される斜線制限です。(原則)
	・部分的に、緩和規定(天空率)を使う必要がある。
	 道路斜線 天空率
	
	
	<天空率>
	
	 
4,OM-HOUSE計画の目標
	1,垂直方向の移動が楽で、ゆとりを感じさせるすまい。
	・比較的敷地は狭いので、上下階の繋がりを良くするための工夫。 
	・緩やかな階段と、階段リフトが住宅にゆとりをもたらす。
	
	2,自然と感応し、自然を上手にコントロールする。
	・東西の住宅は、比較的迫っているが、通風と採光には注意を払う。
	・朝、昼、夕、夜という1日の変化を、自然光や風の変化で感じ取れる感性豊かな家
	・太陽の光や暖かさを、庇や袖壁でコントロールした省エネ住宅。
	・コストが許すなら、断熱性能が良い住宅。
	
	3,コンパクトで、家事が楽な家
	・共働き夫婦なので、家事が楽にこなせる住宅設計。
	・収納を多めにとる。但し面積が比較的狭いので、上下階に分散させて収納を確保する。
	4,介護を前提としたバリアフリーの家
	・縦空間の移動、高齢者への配慮を考えると、階段リフト(エレベーター)があると住みやすい。
	・階段リフトがあっても、階段は登り易い角度でゆったりと設計することが大切です。
	・1階の水回りは、車いすに対応できるような、バリアフリー設計とする。
	5,生活時間帯が異なるので、世帯間で干渉しない住み方が可能
	・上下階で、騒音を軽減する工法を採用する。
	・親世帯にも、ミニキッチンをつくる。
	
	<模型写真2>
	
	5,工期について
今回は設計から完成まで、11?12ヶ月程度を想定しています。
	1,設計期間   
	 ・基本設計   約3ヶ月
	 ・実施設計   約3ヶ月
	2,審査機関届け(確認申請) 約1ヶ月
	                
	                
	3,工事期間(解体工事含む) 約4?5ヶ月
総計約11-12ヶ月程度
	
	<模型写真3>
6,概算予算
	当社は設計事務所ですので現段階では、あくまでも最近の工事価格データをもとに算出した設計予算です。(工事費が確定したものではありません。)
	今回は、最近の竣工物件の見積金額を参考に、現在の単価を入れ直して算出しました。
	もちろん、この金額は、実施設計時のクライアントのご希望のグレードで上下します。
	まだこの時点では、OMさんの具体的なご希望をお聞きしていないので、これまでの当事務所の経験を踏まえた坪単価です。最終的な工事金額は、工事契約時に決まります。
	6_1,本体工事(構造:木造) 
	・本体   ※坪 × ※万円/坪   = ※ -※万円
	工事費合計              ※万円 ※万円(消費税抜き) ----A
	※フラット35Sをご利用の場合は、若干コストが上がります。
	※長期優良住宅の場合は、コストが上がります。
	※地質調査の結果、地盤が悪ければ地盤改良等が必要。
	※建築コスト参考ページhttps://www.taikeisha.net/cost/cost.html
	
	6_2,設計監理料 
	当初工事費を暫定的に ?= ※万円と仮定します。(実際には契約工事費でご精算していただきます。)(料率は、当事務所料率表による。算定は設計料計算書をご参照ください)
	https://www.taikeisha.net/sekkei/sekkei.html#3
	設計料率の算定  →工事費※万円の場合、※%  (加重平均)
	今回は木造3階建てのため詳細な構造設計が必要ですので、構造設計事務所への外注費が発生します。-----B
	 
	6_3 その他必要諸費用
	■その他工事
	・解体工事費 約25坪(目測)* ※円/坪     約    ※円
	・階段リフト(施主購入)     約   ※円 
	その他工事合計       約  ※円(消費税抜き)----------C
	■諸雑費
	・地質調査費用        ※円
	・敷地測量・真北測量       ※円
	・確認申請審査料 (審査・中間・完了検査)     ※円
	・確認申請用書類作成費用      ※円
	諸雑費合計             約  ※円 (消費税抜き) ----D
	
	6_4 プロジェクト総額 =?本体工事+?設計監理料+?その他工事+?諸雑費 
	
	(A+B+C+D)= ※
・カーテン、置家具、エアコン本体価格などは工事費に含みません。
	
	6_5 工事費、設計料の支払い方
	・工務店への工事費の支払い方は、出来高にあわせて分割払いが可能です。
	最近は月払い(4?5分割程度)が多いです。(銀行の支払い規定にもよるので注意)
	・設計料は、通常契約期間中に4分割又は5分割程度でお願いしています。
	 
	
	提案は以上です。
	OM-HOUSEは、私たちの事務所の重要テーマの一つである都市型2世帯狭小住宅であり、とても興味深く感じています。
	以上、よろしくご検討ください。
	
	<模型写真4>
	
	
	以上の提案書を作成して、OMさんに検討していただいた結果、正式に設計監理契約を結び、設計監理を担当することになりました。
- Vol:01:はじめまして。
 - Vol:02:現地調査に伺う
 - Vol:03:基本構想の提案
 - Vol.04:敷地測量
 - Vol:05:設計の過程
 - Vol:06:解体から、地質調査まで
 - Vol:07:はじめは大雪から
 - Vol:08:基礎工事が始まりました。
 - Vol:09:基礎配筋検査
 - Vol:10:基礎工事
 - Vol:11:上棟しました。
 - Vol:12:構造体を固める
 - Vol:13:構造金物工事など
 - Vol:14:仕上げ工事が始まる
 - Vol:15:板金工事の打ち合わせ。
 - Vol:16:大工奮闘中
 - Vol:17:断熱工事
 - Vol:18:施主を現場へご案内
 - Vol:19:外壁板金工事
 - Vol:20:建具屋さん
 - Vol:21:オープンハウスの開催
 - Vol:22:階段の製作
 - Vol:23:ラストスパート
 - Vol:24:足場が外れた
 - Vol:25:漆喰塗り
 - Vol:26:引き渡し前
 - Vol:27:入居前の完成写真
 - Vol:28:1年点検
 
 
