住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

千葉市郊外に建つ、木造2階建て住宅です。設計のテーマは老後の家です。
-Vol.9-
老後のすまい・漆喰の家
- TH-HOUSE -
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4,つくり続ける楽しみ

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TH邸のリビング・ダイニングの前には、かなりの広さの庭が広がっています。

「この前の台風のときには、ここの植木鉢を全部部屋のなかに運んだんです。

家のなかに入れるときは夢中だったんですけど、台風の後、もとの位置に戻そうとしたら重いし、数が多いしで嫌になってしまって、しばらく部屋のなかに入れたままにしてたんですよ」とは奥さまの言。
たくさんの緑に囲まれた暮らしを楽しまれているのがわかります。

th20-2.jpg庭は植木屋さんに、と思い込んでいる人も多いかもしれませんが、植木屋さんが得意なのは「見る庭」です。

座敷など、室内から見たときにきれいに見えるように上手に樹木を配してしつらえるのが植木屋さん。

でも、住む人が自分で植えたり育てたり、「遊ぶ庭」にしたいなら、やはり住まい手自らが手をかけるしかありません。


一般には、中高木や灌木類、いわゆる「木」は植木屋さんに植えてもらって、周辺の草花を自分で、という家が多いかもしれません。

でもTH邸は、全部自分の手で、少しずつ木や草花を増やしています。

「鉢を置いて様子をみて、この木はここじゃないなぁ、とか試行錯誤がしたいんです」とTHさん。季節によって日の当たり方も違いますし、ほかとのバランスもあるのでしょう。
長い時間をかけて庭をつくっている最中、ということです。

th4-2.jpg庭づくりに限ったことではありませんが、少しずつつくり続けるのは楽しいものです。
そんなの、時間に余裕のある人の特権だ、と言われるかもしれませんが、それは時間ではなく心に余裕がない人の言い分。

どんな暮らしでも、「いまを楽しむのに大切なのは、急がない、心の余裕」、とTH邸の庭づくりが教えてくれます。
 
都内の家具店に足を運んで自宅の椅子を選んだり、家族の思い出が染みこんだダイニングテーブルをインテリアに合わせて、リフォームしたりしながら家づくりを楽しんでいるようです。 

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