住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

墨田区の狭小地に建つ2階建て木造住宅。 間口が狭く、奥行の長い「したまちの家」です。
- NR-HOUSE -
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・行き止まりをつくらない


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この住宅の間口は壁芯で3メートル×11メートル、つまりかなり細長い形状です。
このような特殊な形状の幅が狭い、細長い空間は、一般的にはウナギの寝床と呼ばれます。

しかし設計の工夫次第で、このような細長い形状でも、住まい手には、楽しく、広々と感じさせることが出来ます。



nr08.jpgこの計画では広く感じるような工夫の一つに、「行き止まりをつくらない」という手法を使っています。

もちろん住宅は限られた箱なので、突き当たりに壁はあるのですが、南側の端っこのスペースに立つと視線は、窓から、遠くを見ることが出来ます。


今回はたまたま道路越しの駐車場の隙間から、向こう側にある広い倉庫の敷地を遠くを眺めることができるので、広がりを感じることが出来ホッとします。

一方反対側の北側の壁の突き当たりのキッチンがあるのですが、キッチンの廻りを回遊することができるので、動線は行き止まってはいません

このタイプでは、キッチンが隅っこに押し込まれてなく、皆で一緒に食事の準備や片付けが出来ます。







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またこの住宅では、場所場所で天井の高さや明るさに変化をつけることで、視線は上下や隣のスペースに向けられているので、連続性が感じられます。

昼間は自然光の変化を感じながら、気持ちのよいスペースを見つけて過ごすのも、固定した部屋の使い方とは異なって楽しいものです。

空間に行き止まりをつくらないとは、常に気持ちに広がりを感じながら過ごすことだと思います。

このように不利な条件の敷地でも、設計の工夫次第で楽しく、広々と感じる空間が可能になります。(大戸記)

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