住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

墨田区の狭小地に建つ2階建て木造住宅。 間口が狭く、奥行の長い「したまちの家」です。
- NR-HOUSE -
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3,「定期的に雑誌はPDF化しています」

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という奥さんのコメントには、正直びっくりしました。
NR邸を訪れて、まず驚くのが室内のきれいさです。
我々がお邪魔するのに備えて、事前に片づけてくれたのかもしれませんが、そもそもモノが少ない。少なすぎる(笑)。

お話をうかがうと、そこにもご夫妻独特の考え方や感性が感じられました。

nr_0302.jpgnr_0304.jpg「PDF化する」のもその一つ。
雑誌が溜まってきたらまとめてそういうサービスに依頼してスキャン。
データ保存するのだそうです。
雑誌自体は廃棄するため、家の中に雑誌が溜まっていくことはありません。

設計中、森川さんは何度もご夫妻に「本当に大丈夫ですか?」と確認したというほどNR邸には収納が少ないのですが、それは「入らなければ、モノを減らせばいい」というお二人の考え方があるから可能になったのでしょう。
炊飯器や電子レンジでさえ、「以前はあったけど捨てました」とのこと。

ただし、お二人がミニマリストというわけではありません。
「あれはいらない、これも捨てたといいながら、ホームベーカリーはあるしミキサーなんて3つもあるんです」と笑いながら話されるように、お二人の価値観のなかで、要不要をしっかりと判断されている、ということです。

多くの人は、少しでもたくさん収納を欲しがります。
それは、すっきりとした暮らしに憧れるからだと思います。
でも収納は、あればあるだけ入れてしまうもの。
収納に入れて見えなくなれば、要不要の判断が先送りされて溜まっていきます。




限られた面積の中で、すっきりとした暮らしを理想とするなら、収納量を追い求めるだけでなく、自分たちの要不要を見極めることも大切。
そう思わせてくれるNR邸です。

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