住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

墨田区の狭小地に建つ2階建て木造住宅。 間口が狭く、奥行の長い「したまちの家」です。
- NR-HOUSE -
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5,「『使っている』という自己満足でもいいんです(笑)」

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家を建てる際、ハウスメーカーに依頼することはまったく考えなかったというNRさんご夫妻。
その理由について「決まった枠の中から選ぶんじゃなくて、自分でいろいろ探して決めたかったのかもしれません」と話してくれました。
そして「実際にやってみたら、決めることがすごく多くて驚いた」とも。
ただし、それは苦痛ではなく、嬉しい悲鳴のようにも聞こえました。

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nr_0503.jpgNR邸では、いわゆる「支給品」がたくさん使われています。
支給品とは、建て主が自分で探して購入・用意して、それを工事で使うもの。
例えば、「タイルはどのようなものがいいですか?」と設計者側からサンプルやカタログを提示され、その中から選ぶことが一般的には多いのですが、建て主が「これを使って」と現物を用意するのが「支給品」です。
NR邸では、ちょっと目につくところだけでも、スイッチ、ドアノブなど、細かいところにご夫妻の好みのものが使われています。

「頻繁に触る部分は、触り心地などを大事にしたかった」ということで、ドアノブなどにこだわるのはわかるのですが、おもしろいのがキッチンとトイレに張られているタイルです。

これらは「サブウェイタイル」と呼ばれる、アメリカの地下鉄構内で使われていたタイルの一種なのだそうです。
職人の手作りで、ハンドメイドのやさしさとデザイン性が魅力。
確かに独特の風合いがあっておしゃれではありますが、言われなければ気づかないのもまた事実。
そこで冒頭の言葉につながります。


デザイン志向は人それぞれ。
結果として「トイレの空間は大好き」(奥さん)となれば、それで大成功です。
少しお金がかかっても、こだわりたいところにこだわれるのが建築家との家づくりの楽しみでもあるのです。

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