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08:住宅プロデュース会社について


住宅プロデュース会社を通して、新築された人からいただいたメール

はじめまして。
HPを拝見しました。

2002/10/08:住宅プロデュース会社 についての感想です。

建築家側の事情・見方のひとつを知り、新鮮でした。
住宅プロデュース会社を使った、施主側からの意見を聞いていただきたく、メールしました。

彼らは、「プロデューサー」と名乗りながら、石膏ボードが何かも知らないような、素人です。(工事の検査や、見積もりのチェックなどは、経験・資格のある方が、別になさっていました。)

建築家に要望を伝えるのに、彼らを通すのが、一番のネックだったと思います。直接言わないため、デザイン重視に走りがちな建築家に、角を立てずに、かなり細かく要求を出せたのはいいのですが、最終的には、間に人(プロデューサー)が入ったことで、真意が伝わりにくくなりました。

打ち合わせは、必ずプロデューサーが立会い、要望は、彼らを通すため、直接、電話などでは、建築家とやり取りをしたことががありません。
引渡し後、どうしても、残工事や手直しなどで、建築家への要求が、まだまだポロポロ出てきて、連絡してほしいということになります。

ところが、「いつまでも、施主の要望のすべてを相手にできないし、建築家への強制力も、仲裁の義務も、もともと持ち合わせていない」と言い出しました。次の仕事をちらつかせながら、お願いする、という姿勢なのだそうです。「欠陥住宅は作らせません」と宣伝しているにもかかわらず、強制力はないと言われては、幻影を見てきたかのような感じです。「本来、当事者間で解決していただく筋のもの」とも。
「登録建築家」の仕事の結果、起こった不具合について、プロデュース会社には責任がなく、引渡し後(つまり、料金の最終の振込み後)は、直接連絡を取ってほしいそうです。
もちろん、調べればわかりますが、名刺としては、建築事務所の連絡先は知らされていないのに。プロデュース会社の名前が入った名刺だけを、お客さんに渡すように言ってあるのでしょう。出会いの場を提供して、その後、直接連絡されては、商売になりませんから。

建築家に頼んで家を建てる、ということは、どんなことか、肌で知るにはよい場所ですが、プロデュース会社を過信するのは禁物だと思いました。
幸いにして、完成した家は気に入っていますし、プロデュース会社を使った価値はあったと思います。
しかし、彼らは、ほとんど素人の集団であり、決して「正義の味方」ではない、良心的な建築家と工務店がいて、施主がシッカリしてさえいれば、必要のない、中間マージン的存在だと、これから家をどう建てよう、と思っていらっしゃる方には、知っていただきたいです。

申し訳ありません、つい、長くなってしまいました。お忙しい中、お読みいただきありがとうございました。

お返事は、けっこうですので。
I 

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こんにちは、Iさん。
建築計画網・大系舎の大戸です。

メールありがとうございました。

いろんなタイプの建築家がいます。
いろんな建築観、価値観を持っています。

でも、なかなかその違いが、一般の方には見えないのが現実ですね。
私たち建築家は、その違いを表現する努力が足りないのでしょうね。
反省しています。

でも、苦労されて出来上がった住宅に満足されているようなので、良かったですね。

しかし出来上がった後は、関係ないというそのロデュース会社の態度は、許せません。
何のために、中間に入っているのでしょうか。


ただし全てのプロデュース会社が悪いわけではないと思います。

しかし、冷静に考えて、クライアントにとって費用が発生しないというプロデュース会社は、基本的におかしいと思います。

それだけ、プロジェクトに多くの人がかかわるのであるなら、人件費は嵩むはずです。
無料かほとんど費用がかからないような仕組みは基本的にあり得ないはずです。
その場合はどこか裏取引で、おかしな費用の授受が行われているのだと推測されます。

私自身は、住宅という比較的少人数の作り手で、施工可能な建築は、出来る限りお互いの顔が見え、コミュニケーションが直接とれる形態が理想だと考えているので、住宅プロデュース会社には、反対の立場です。

建築家が、モノのデザインだけでなく、つくるプロセスをデザインすることが大切だと考えて日々悪戦苦闘しています。

日記読んでいただきありがとうございました。

ということで、失礼いたします。