住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

大田区の下町地区に建つ、2世帯住宅です。耐火性の高いRC構造3階建てです。
-Vol.8-
2世帯・RC構造の家
- TD-house -
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01.外観デザインはなぜ大切か

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今回のTD邸は、竣工時の見学会にお邪魔していたので実は2回目の訪問でした。見学会の案内を見たときに、「大戸さんにしては珍しい」と思ったのが、ファサードのアーチ形庇です。


2階ベランダの床と側壁もそのまま延びているので、庇というより、建物の床と壁と屋根が飛び出しているような印象です。大戸さんのデザインは概して控えめなものが多いので、ちょっと意外に思えたのです。


今回、このアーチについて大戸さんに聞いたところ「思いつきです」と苦笑していましたが、この「思いつき」はTDさんご家族にも大好評で、コスト調整の際にもここだけはいじらなかったといいますから、設計者にも建て主にも思い入れの強いものになっているようです。


 ファサードの表情が大切なのは、街並みとの関係もありますが、なにより「我が家」としてのアイデンティティが得られることが大きいと思います。


27td_0102.jpg TDさんの奥さんが、ママ友たちとの付き合いのなかで、「子どもや私とは初対面の人でも、家の場所を伝えると『あ?、あの家!』って言われるんです」と嬉しそうに語っていたのは、とても印象的でした。



自分たちはもちろんですが、周囲の人たちからも(もちろん、いい意味で)「特別なもの」として認識されるのは嬉しいものです。



それは、住む人たちにとっての誇りとなり、家への愛着へとつながります。



ファサードのデザインが、住む人たちに愛され、近隣に愛されるものであれば、その家はきっと長くみんなから大切にされることになるでしょう。
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