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04:設計事務所の出した設計予算とは

設計事務所が、クライアントに提出する、基本設計段階の設計予算とは、どのように解釈べきものなのでしょうか?

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設計予算について。

よく誤解があるのですが、設計事務所の見積金額とは、工事金額(=実際に支払う金額)ではなく、設計予算(予測した金額)のことです。
本来の工事費は、詳細な実施設計が終わったあと、その図面を元に、工務店が木材や便器やキッチンなどの数量や金額を総計して見積金額=工事金額が算出されます。


現在のような基本設計の段階では、クライアントの詳細なご希望を聞いておりませんので、仕上げや設備は、何も決まっておりません。設計予算は、あくまでも私の経験値、これまでの実績を元にした概算的な参考値です。これまで出来た住宅を平均すると、このくらいで出来ていますよといった意味です。つまり、施主と打ち合わせしてこれからつくる建築の価格とイコールではないのです。


だから、この段階の設計予算は、工事費の総額を考えるための単なる目安だと認識して作成しています。仕上げ材料や、設備機器のご希望を何も聞いていないのに、正確な金額は出ませんよね。


ちなみに私の場合は、クライアントが最終的に予算オーバーしないように、設計予算は、少し高めにお話するようにしています。後で追加がなるべく予算オーバーしないように配慮した金額です。

一方、営業ベースの会社などは、はじめは安めに設定しておいて、後からオプションで追加していくと聞いておりますので、ご注意ください。

そういった意味で、当事務所が出した設計予算は、他社と価格競争するようなものではないことを、ご理解ください。


設計者は、あくまでもクライアントの代理者であり、コストをダウンさせるのは、クライアント自身です。設計者は、コストダウンのお手伝いをしますが、設計者は、工事を請け負いませんので、工事値段を下げることは出来ません。
工事価格を下げることが出来るのは、工事を請け負う工務店です。
もちろん誤解されて困るのですが、設計の工夫で、より安くより良いものを作る努力は、設計事務所の基本中の基本です。


要するに、仕様や設備で調整すれば、コストは下がりますし、そうれでも落ちないときは、住宅を少し小さく変更したりすることもあります。


ところで、ハウスメーカーなどのような企画住宅(商品化住宅と言います。)の場合は、事情が異なります。ハウスメーカーは、設計と施工が一体ですので、この場合は予算と最終工事費は、密接な関係にあります。
企画住宅は、ほぼ仕様が決まっているので、自動車などと同じように、はじめから最終金額が分かるようになっています。ただしオプションが追加されれば、金額が上がることに注意してください。

一方、建築家との家づくりは、上記のハウスメーカーと違って、全くの自由設計なので、設計次第で、金額が上下します。