オンライン設計室
Vol:06:貝塚の上に建つすまい
この住宅は、縄文から弥生に掛けての古代の貝塚の遺跡の上に位置します。
貝塚は、古代の住居が近くにあったことを示します。
つまり昔から、人間の居住に適した場所であったのでしょう。
そういえば、ここが貝塚だと知らずに、はじめて敷地の調査に伺ったときに感じた、穏やかな南下がりの地形から感じられる心地よさ、風の通りの良さ、日当たりの良さなどは、古の時代からそうだったのだと納得しました。
この貝塚から出土された出土品は、北区の博物館で展示されています。
北区飛鳥山近辺は、多くの古代からの遺跡があることで有名です。
飛鳥山近辺は、武蔵野台地の高台の東端であり、現在の南北に走る京浜東北線や新幹線を境に、東側は東京低地と呼ばれる荒川などの河川氾濫して出来た沖積層で形成された地形です。
そのため海や河川が接近していた場所です。
この地は武蔵野台地の東端に位置し、かつ南西側に小さな河川が流れていた場所であり、古代の自然の中では住まいとしては最高の環境をつくっていたと想定されます。
ここは現在では、住宅が密集していますが、それでも自然に流れる風や、風景への視線などを、無理にデザインすることなく、素直に受け入れて設計すれば良いほど、良い良質な環境であることを実感します。
また古の時代からのつながりを感じて居住することは、地霊といわれるような環境の力に対して、畏敬の念を持つことであり大切だと考えています。
・敷地の全景
・敷地から、南西方向を見る。向こう側は緩やかな傾斜地。
・見返し。空が広い
・南西方向への穏やかな傾斜地。
・地質の東西断面図。左側が武蔵野台地の東端部。右が下町地区。
・上図の拡大図。谷田川は、現在の霜降り商店街付近
・北区博物館の展示室(以下同様)。各所の出土品を含めた展示。
・貝塚とは。
・付近で発掘された人骨
・付近で出土した木船
・その他出土品
・土偶。付近の遺跡
・古代には川だった場所が、現代では有名な商店街。(しもふり商店街)
古の時代を想像すると、土地の豊かさを実感できます。
- Vol.01:家づくりのご相談
- Vol.02:面談と現地調査
- Vol.03:高度地区と真北測量
- Vol:04:敷地の条件
- Vol.05:基本計画の作成
- Vol:06:貝塚の上に建つすまい
- Vol:07:設計の完了
- Vol:08:地鎮祭
- Vol.09:工事着工
- Vol.10:深基礎の工事
- Vol.11:基礎の配筋
- Vol:12:基礎が完成
- Vol:13:上棟の準備
- Vol.14:上棟です。
- Vol.15:お清めの儀
- Vol:16:木材の産地・飯能へ出向く
- Vol.17:屋根工事
- Vol:18:屋根工事その2
- Vol.19:屋根工事その3
- Vol.20:木造躯体工事
- Vol:21:木造躯体工事その2
- Vol.22:木造躯体工事その3
- Vol.23:サッシの取り付け
- Vol.24:内装工事
- Vol.25:内装工事その2
- Vol:26:内装工事その3
- Vol.27:施主の現場案内
- Vol.28:板金工との打ち合わせ
- Vol.29:階段に取り掛かる
- Vol.30:階段と小上がり
- vol:31:仕上げ工事ラストスパート
- Vol:32:光の表情の変化
- vol:33:漆喰塗り
- Vol.34:ようやく養生がとれた
- Vol:35:床材の感触を実感する
- Vol.36:とりあえず完成
- Vol:37:お引っ越し後に伺う