住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

墨田区に建つ鉄骨3階建て住宅。60歳代の夫婦が老後を楽しむための楽の住まい。
-Vol.5-
都心回帰の家(老後の家)
- YA-house -
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2.大人の家づくり

 公園の緑を楽しむこの家に暮らすのは、60代半ばのYAさんご夫妻。
 オンライン設計室の「初めていただいたメールから」で、すでに「私と家内は二人とも既に60歳を越えています」とあり、「従って、住宅の一番大事なコンセプトは、今後15年から20年、どんどん年老いていく時期を快適で安全に過ごしたい、ということにつきます」と書いておられます。

 家を建てる「時期」に良い悪いはあるのでしょうか。
 比率で考えれば、「子供が小さいうち」に建てる30代、40代が圧倒的に多いでしょう。でも実は子供が巣立って、夫婦二人になってからのほうがいい家づくりができるのは、ちょっと考えれば当たり前のことなのです。

 若いうちはほしいもの、必要なものがたくさんあって、どんどんモノが増えます。子供たちは成長し、家族の関係も変わり続けます。両親の介護も、今後重要な要件になるでしょう。
  こうした不確定な要素が山のようにある若い時期には、要望も刹那的にならざるを得ないのです。 その点、子育ても終わった50代、60代になれば、モノの量も安定、自分たちの暮らし方や好みもはっきりしています。両親を見送っていれば、介護に振り回される心配もありません。つまり、自分たちの好みをはっきりと家に反映させることができるのです。

 

 YA邸では、趣味や仕事の場所を兼ねるそれぞれ個室(寝室)が用意されていて、ご主人の部屋は3階、奥さんの部屋は1階と離れています。LDKのある2階とそれぞれが付かず離れずで、夫婦の距離も自在に調整できる構成です。
  長い間ともに暮らして、それぞれの暮らし方から距離感まで、お二人がきちんと分かっているからできる「大人」の家づくりが、ここによく現れているように思いました。

YA-HOUSEの出来上がるプロセスは、
<建築計画網・大系舎 HP><オンライン設計室><No.22 YAさんの場合>
を参照ください。  

 

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