5.みんなの家はみんなで考えるのが成功のカギ
何か不満な点はありませんか?3階のダイニングでKIさんにうかがってみました。
「考えに考えて考えて考えて決めたものばかりですから後悔や不満に思っている点はありません」ときっぱり。
では、家づくりで不安だったことは?
「本当にこのまま進めていって大丈夫なのかなぁ、という漠然とした不安がありました」
9人家族とはいえ、今回の建替え計画の中心は、当時20代半ばだったKIさん。
 「私たちは、まだいい、まだいい、ばっかりだったからねぇ」とおばあちゃんが補足してくれましたが、大戸さんを見つけるところから、銀行のローンの手配までKIさんが船頭役で計画が進められました。
「でも打合せのときにはいつもおばあちゃんも一緒だったし、KIさんと僕だけで決めるようなことはなかった。」と大戸さん。
多世帯住宅の計画でよくないのは、窓口になる一部の人の意見だけで計画が進んでいくこと。特にお年寄り世帯は計画の外に追いやられがちです。でも本当に家族が仲良く暮らしていくためには、できれば家族全員の意見を反映させなければなりません。KI邸では、船頭役のKIさんが暴走することなく、また周囲のご両親やおじいちゃん、おばあちゃんがきちんとフォロー役に回っていたことがうかがわれます。
家づくりの基本は、家族のコミュニケーション!
そんなことを感じさせるKI邸なのでした。
(文:市川隆)

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