2.エレベーターのある安心
 家に入って、まず目に入ったのは玄関脇のエレベーター。
最近のホームエレベーターは、以前に比べるとかなり小さくなっていますが、それでも小さな家のなかではかなりの存在感になります。ですから、どこに配置するかは意外に大きな問題です。家の中央に置けば、動線はエレベーターが中心となり、端に置けば今度は階段をどう扱うかが問題になります。
KI邸では、エレベーターが家の端に、階段が家の中央にあって、普段の動線は階段であることが明確になっています。実際、おばあちゃんも「荷物があるときはエレベーターを使うけど、それ以外はがんばって階段を上がる」のだそうです。
 KI邸では、当初2階リビングの案もあったとか。それはやはり高齢のおじいちゃん、おばあちゃんに考慮してのことでしたが、「エレベーターを入れると決めてから計画の自由度が増した」(大戸さん)そうです。
「高齢者にはバリアフリー」と無責任に言いますが、狭小地の計画では、簡単に段差をなくすことはできません。下手に1階だけで計画すれば、暗くて寒いところにお年寄りを押し込めるようなことにもなりかねません。エレベーターは、そんな不安を解消する便利グッズ。
KI邸のように、エレベーターを入れても、元気なうちはそれに頼らなければいいのです。そして荷物があったり怪我をしたり、あるいはしんどいときにエレベーターを使う。KI邸は、これからのエレベーターと家族の関係をとてもよく現しているようでした。

KI-HOUSEの出来上がるプロセスは、
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