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05:ローコストで、わがままな三昧な住宅

初めてメールさせて頂きます。○○と申します。

Webで色々探していましたら御社のサイトを見つけまして、以前から「建築家の建てる家」という物に興味は有ったのですが、やはり敷居が高そうな気がしておりましたが、思い切ってご連絡してみました。

(超)ローコストで、品質の良い・わがまま三昧の家を建てることは可能でしょうか?
ご相談に乗って頂けるようでしたら、お話しさせていただけますと幸いです。

ちなみに現住所は○○県○○市(南関東)です。

以上宜しくお願い致します。

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こんにちは、○○さん。建築計画網・大系舎の大戸です。
メールいただきありがとうございます。

ご質問の内容、お答えが非常に難しいですね。(笑)
今回は、私なりのお返事送ります。少しきつい言い方もあるかもしれませんが、お許し下さい。


まず初めに。メールの語義そのままに解釈すると、それは無理だと言えます。
現実的に、(超)ローコストで、品質の良い・わがまま三昧の家が可能な訳はないですよ
ね(笑)

ただしローコスト、品質の良い、わがまま三昧それぞれの意味は、非常に曖昧なので確認
させていただきます。


『ローコスト』とは、どのくらいの具体的な金額なのか?
と申しますのは、ローコストという言葉の、明白な定義がないからです。
総予算はどの程度で、どのくらいの予算なのかが分からないからです。
具体的に、どの程度の広さで、どの程度の住宅が欲しいのかが分かりませんと、正しいお
答えができません。
但し一般的に、総予算としてはやはり1800〜2000万円くらいは最低ラインとして欲しいところです。


『品質の良い』とは、何に比較して良いのか、これも曖昧な言葉です。
一般的に品質が良いものは、高価であることは真理です。

しかし○○県○○市(南関東)であれば、北海道と異なり、高度な断熱性なども要求されません。

また手抜きをしない、させないという意味では、品質管理には自信があります。
ですから、コストパーフォーマンスが高いという意味なら、可能です。
つまり出費額に対して、お得な品質であるという意味なら可能です。


『わがまま三昧』とは、どう言った意味でしょか?
基本的に、設計時に施主とのコミュニケーションが重要な手段と考えております。
ですから、施主の希望と、それに対する建築家の提案を何度も繰り返して、設計を煮詰め
ていきます。

しかし、誤解を恐れずに言えば、建築家の仕事とは、施主の希望をそのまま具現化することではないと考えています。施主の希望やイメージを、専門家の立場で客観的に分析し、交通整理し、その上に建築家としての意見やイメージの提案がブレンドされたものということでしょうか。
つまり一緒に協力して、つくるというスタンスならぜひ、ご一緒したいです。

今回は曖昧な言葉を、一応はっきりした意味に翻訳したつもりです。
誤解がなければ良いのですが、いかかでしょうか。

以上のような考え方に賛同していただけるのであれば、ぜひご相談下さい。


(後日談)残念ながら、その後お返事がありませんでした。大戸