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レポーターの市川さんを通して表現しています

新宿区に建築された、地下室付RC構造の住宅です。 施主がピアニストであり、多くの人が集まります。 16坪の狭小地でも快適に過ごせます。
<Vol.7>
地下音楽室付/狭小RC住宅
- KT-house -
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9,設計者の視点 - 町に開く、下町の家(大戸浩)


この住宅の一番の特徴は、町に開いていることであり、私達はこのタイプの住宅を下町の家と呼んでいます。

住宅が町に対して開いているとは、山の手の住宅が敷地の中で自閉的に閉じていることと、対比して述べたものです。 


29kt_3000.jpg


 

山の手の住宅を設計して感じることは、住宅とその町との関連が薄いことです。
だから山の手の住宅地を歩いていても、孤独感のようなものを感じます。

一方、下町の家はその逆であり、町に何らかの関わりを持つことが条件と考えています。
そういった意味で、KT-HOUSEは、地下音楽室は、外、つまり町に開いています。

 

29kt_3001.jpgKT-HOUSEの地下音楽室は、基本的には、ジャズピアニストの松本峰明さん宅のピアノ室ですが、友人や近所の人に集まってもらってちょっとしたライブも開くことができるようになっています。
ここでは、月に1,2回程度の週末に、ライブが開かれているようです。


先日NO29.KT-HOUSEで、松本さんのピアノ演奏と、ハモニカ奏者のミニライブがあると聞き、伺ってきました。





当日行われた松本さんのピアノ演奏と、彼の友人であるアメリカ人のハモニカ奏者とのミニライブは、観客との一体感を感じることが出来、とても楽しいものでした。

設計者としては、このような人を招くことが出来る小さなスペースは、下町のいえの要素として、とても大切のものだと思っています。

つまり郊外住宅に一般化しているような自閉的なすまいではなく、常に町に対して開き、関わることが、楽しいまちづくりにつながる大切なポイントと考えられるからです。

町に対して開くこと、つまり町に何らかの形で参加することを、現代の都市の住宅は見失いつつあると、常々感じています。

ただし一番忘れてはならないことは、この住宅の住まい手であるKTさん(松本さん)ご家族が、積極的に町と関わりを持たれることです。
本当に町を良くするには、住人一人一人の心構えが必要なのは当然ですが、それを続けていかれる姿勢は素晴らしいと思います。



29kt_3002.jpgちなみに地下室には、広い玄関土間を経由して、アプローチするのですが、この土間にもちょっとした展示ギャラリーのスペースがあります。

当日ここで、犬のかわいい洋服の展示即売会が開かれていました。

このギャラリースペースは、道を通行する人からも、眺めらられるように設計してあり、小さいですが町に開き、楽しさを提供しているものだと自負しています。




建築家として、町に開く、下町のいえの設計は、小さな一歩ですが、町を少しでも活性化する一歩だと思っています。

私達はこれからも、下町のいえの設計をライフワークとしていこうと思っています。


 

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