住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

新宿区に建築された、地下室付RC構造の住宅です。 施主がピアニストであり、多くの人が集まります。 16坪の狭小地でも快適に過ごせます。
<Vol.7>
地下音楽室付/狭小RC住宅
- KT-house -
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8.おまけ:液状化対策は可能か


東日本大震災で、大きな被害が報道され、ご存知の方も多いと思いますが、地盤の液状化はとても深刻な問題です。
どんなに上モノが立派でも、地盤が液状化して建物が傾いてしまえば、住むことは難しくなります。
戸建て住宅を所有するリスクを再認識した人も多いのではないでしょうか。

 

(浦安の液状化。傾くブロック塀:大戸撮影)

では戸建て住宅レベルで、液状化対策は可能なのか。
答えは「可能」。大戸さんに聞いたところ、地盤を調べて液状化が疑われる場合には、さらにその下の安定地層まで杭を打つなどの措置を講じれば、液状化による被害は大きく軽減することが可能だそうです。

震災以降は、大戸さんも必ず土地のボーリング調査を行って、液状化の恐れがないかどうか確認しているといいます。
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瑕疵担保のため、現在では簡易なサウンディング試験は必須となっているようですが、私の感覚では、住宅規模の(軽い)建築の場合、そのサウンディング調査でさえ、普及したのはここ10年くらいのように思います。それが一気にボーリング調査ですから、その分、負担も大きくなります。

目安として、サウンディング試験であれば5万円前後、ボーリング調査なら20-25万程度でしょうか。さらに調査して問題なければよいですが、杭工事などが必要となると、今度は百万単位でのコストアップになってしまいます。

 

(KT-houseのボーリング調査の様子)

地盤調査は購入前には行えませんから、もし土地を購入するのであれば、購入前に役所などで確認したほうがいいということです。
地域によっては、液状化マップなるものをつくっているところもあるそうです。

ただし、役所の人間でも、課が違えばマップの存在自体を知らないなど、必ずしも万全の体制が整っているわけではありません。

そんな半端な状況のなかで、活断層の上を避け、河川の氾濫の恐れがある地域を避け、さらに液状化が疑われる土地を避ける。
土地を買うということは、いくつもの高いハードルを越えてゆく強い意志が必要なのです。
(文:市川隆)
 

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