
建築計画網・大系舎 大戸さま
こんばんは。いつもホームページを楽しみに見させていただいています。
家ができていく過程を見るのはとてもワクワクするものですね。
実は、購入を考えている土地について取り急ぎ大戸さんのご意見をうかがいたく、メールさせていただきます。添付の広告をご覧ください。
住所:東京都○○市○○町3−3−14
建築条件なし
かなり間口が狭いですが(幅4.5m)、このような土地でも、普通の住宅が建てられるのでしょうか?
以前は実際に住宅が建っていたそうですが、今は更地になっています。
東南西側に住宅が建っています。
不動産会社によれば、敷地の境界線から60cm内側のところまで建物を建てられるとのことです。高さ制限は10mまでですが、不動産会社は、3階建ても可能、と言っています(本当でしょうか??)。第1種高度地区です。
大戸さんに、この土地の気になる点(間口が狭い)についてご相談したいと思ったわけです。
仮定の話で大変申し訳ないのですが、もし現地を見て良さそうな場合、大戸さんにも今週中に土地を見ていただくことは可能でしょうか?
お忙しいところ申し訳有りませんが、宜しくお願いいたします。
明日、事務所の方にお電話します。
ak

はじめまして、akさん。
建築計画網・大系舎の大戸です。
それでは、メールのお返事です。
この敷地間口がかなり狭く、奥行きがかなり長い敷地ですね。
ちょうど京都の古い町屋のような形状です。
幅が狭いですが、奥行きがあるで、たとえば中庭をつくるなどすれば、それなりの住宅の設計は可能だと推測されます。
3階建ては確かに可能かもしれませが、建坪率、容積率が低いので果たして必要があるか。
ただ実際には3階建てが可能かどうかは、真北の方向が問題になります。
真北方向に対する高さ規制で、第1種高度斜線というものがあります。
(多少複雑なので、詳細は省きます。)
この敷地図にある方位は、曖昧なので、きちんとした判断は出来ません。
厳密には、真北測定という測量を行う必要があります。
真北の測定は、測量の専門家にお願いします。
以上、こまごました話をしましたが、一番大切なことは、akさんがこの場所が好きになれるかという点です。
この土地に立って、将来ここに居を構えるといったイメージできるかどうかが大切だと思います。
その意志が芽生えれば、こういった土地形状でも、良い住宅、心地よい住宅を造ることは可能だと思います。
もし土地が気に入られた時は、ご連絡くだされば現地に伺います。
ただし、出来るだけ慎重に進めるようにしたいものですね。
ということで、今日は失礼いたします。(2005年冬)
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(2013年追記)
上記の相談は、2005年当時のものであり、その後当事務所では、間口が狭い住宅を設計する機会が多くあり、事例も増えてきました。
この相談では、土地の間口は4.5メートルでしたが、東京の下町地区では、3.6メートル前後という間口の土地の設計事例も多くあります。
昔は、間(けん)=1.8メートルという単位で、土地の間口が切られていることが多いからでしょう。
こういった土地では、両脇や背後の建築が、目一杯近づいていることも多いので、設計や工事に手間がかかるものが多いですが、悲観することなく良好な建築が出来ることが多いです。
当事務所の間口が狭い住宅の事例をご参照ください。