住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

杉並区の木造3階建て。狭くてもインテリアを楽しみながら生活しています。
-Vol.2-
住まいを「つくる」たのしみ
- NA-house -
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2.キャンバスのような室内空間

 

  NAさんと大戸さんの初期の打ち合わせで提示された家に対する希望に、こんなものがありました。

「家自身が、言わばキャンバスといった空間になり、我々ならびにモノ(家具、本など)が絵となるような家」(オンライン設計室・NA-HOUSE その3参照)

  オンライン設計室でも大戸さんが書いていますが、これだけ見ても、NAさん夫妻がとてもセンスのある二人であることが分かります。

 

 

  新築の住宅に限らず、多くの人々が気にするのが収納です。収納が多い=暮らしやすい、と考えている人も多いのではないでしょうか。でも消費社会の現代では、よほどはっきりした意識をもっていないと、すぐに家の中はモノであふれます。どんなに収納が多くても、無造作に詰め込んでいけば、すぐにいっぱいになってしまいます。

  「持っているモノが多いのに、家は小さいから飾りながら収納するしかないと思ったんです。それに、これから先、暮らし方がどんなふうに変わるかわからないじゃないですか」(NAさん)

こんな考え方はなかなかできません。何かを買うときには、そのモノ自体の質やデザイン性はもちろん、ほかのモノとの兼ね合いや、空間とのバランスまで気を配る必要があり、しかもそれが苦痛ではなく、ごく自然にできなければ、続けることができません。一見、雑然としているようで、それが汚く見えないNA邸とご夫妻の暮らしぶりは、都市住宅の暮らし方の一つのあり方として、とても参考になるでしょう

蛇足として付け加えると、有名デザイナーの逸品大好きという若い人たちはたくさんいます。彼らは、そんな家具や食器に囲まれて美しく楽しく暮らしています。でも、見方を変えると、それは家具や食器に合わせて暮らしているだけ。

NAさんたちの魅力は、モノ自体の力に頼るのではなく、どんなものでも自分たちの暮らしに美しく合わせてしまう、そんな力ではないでしょうか。

 

NA-HOUSEの出来上がるプロセスは、
<建築計画網・大系舎 HP><オンライン設計室><No.17 NAさんの場合>
を参照ください 

 

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