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住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

新宿区に建築された、地下室付RC構造の住宅です。 施主がピアニストであり、多くの人が集まります。 16坪の狭小地でも快適に過ごせます。
<Vol.7>
地下音楽室付/狭小RC住宅
- KT-house -
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1.ファサードデザインと「品」

 

KT邸は、都営地下鉄の駅から徒歩3分という、飛びきりの場所にすっきりと「普通」に建っています。
今回はまず、その「普通」の意味を考えてみました。

kt200.jpg

私は、「町並みと調和する周囲とよく似たファサードデザイン」がよいとは思っていません。
今でこそ文化財等になっている寺院や洋館も、竣工時には奇妙キテレツに見えたはずです。
時を経るなかで、周辺になじみ、やがてシンボル的なものとなっていったのでしょう。
奇妙や奇抜が悪いわけではないと思います。

では、奇抜なのが好きかと問われれば、そうでもない……。
誤解を恐れずに言えば、デザインはどうでもいいと思っています。
大切なのは、いかに「普通」に建っているか、ということ。


一戸建ての場合、近隣住民とケンカしながら暮らすことほど、気の重いことはありません。それは一生続くのですから。

「家を新しく建てる」だけで、すでに周辺住民のネタミソネミの対象なのですから、ここは腰を低くして、新たに土地を買って建てるなら「これから仲間にいれていただきます」、建替えなら「これからもよろしく」という住み手の気持ちが現れるのが最低限の作法だと思います。

周囲に気を配るテクニックは、設計手法としていろいろありますが、特別なことをしなくても、にじみ出る「品」が大切なのではないでしょうか。

その「品」とは、そのまま住まい手の「品」です。上記のような気持ち、「この町でともに暮らす」という気持ちが住まい手にあれば、自然と建築にも現れるものです。

KT邸のファサードは、自分が自分がと主張するものではなく、また過度に周辺を意識したデザインでもありません。

必要なボリュームを確保し、日射しや視線など機能面を考慮したうえで、最低限の操作が施された、大戸さんらしいデザインです。

妙に気張らず、回りに媚びず、そういう大戸さんの「普通」のデザインが、KTさんの「品」を表しているように思うのです。

 

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