| |
q.jpg




07:3世代住宅

三世代住宅において、息子夫婦または娘夫婦と同居する場合、それぞれの住戸プ
ランで配慮すべき点はどこですか。


model_22.jpg


a.jpg


はじめまして。
この度はメールありがとうございます。

短いご質問なので少々曖昧な部分がありますが、ご質問は、次のような内容と考えてよろ
しいでしょうか?

『現在、息子さんご夫婦か、娘さんご夫婦とどちらかと一緒に住もうと考えている。
その場合の住宅設計上の配慮点はどのあたりにあるかという解釈でよろしいでしょうか。』
このような前提で、お返事させていただきます。

■距離感
年代が異なる世帯が、一つの屋根の下に同居する場合のポイントは、各世帯との距離感が
大切だと思います。
従って、一般論としては世帯間の距離がきちんと取れている計画が重要なポイントになる
と思います。

一般的に、これから家をつくると言うときは、皆さん気持ちが前向きなので、お互いの世
帯間が良い関係の状態しかイメージ出来ません。

しかし実際に生活をはじめると、いろんなことが起こり、人間関係も変化します。
お互いがくっつきすぎた計画をし過ぎると、何か関係が変わった時、つまり端的に言うと冷えた関係になったときに、住まいがとても窮屈に感じられるようになってしまうからです。

世帯間の関係の中で、お孫さんが間に入ってくると余計複雑になりがちですね。

だから、多世帯住宅を計画するときに注意すべき点は、世帯間の関係を冷静に考え、ゆと
りを持って世帯間の距離を取るような計画をおすすめしています。

距離を取らない2世帯住宅で、失敗した例をいくつか知っています。

■ライフスタイルの変化それから、2世帯住宅では、各家族間のライフスタイルの変化が大きいので、将来を見通
した計画が必要になると思います。
子世帯では、子供(孫)の成長による変化、親世帯では孫を介した子供世帯との関係、自
身の加齢による衰えなど変化に対応できる計画が必要でしょう。


■他者をどう受け入れるか
また一般的には、息子さん世帯と同居か、娘さん世帯と同居かで、人間関係は大きく変わ
りますね。
一緒にお住まいになるのが、お嫁さんかお婿さんかで、かなりの違いが出ますね。
但し、そうは言うものの、そのあたりの関係は各家族、地域で違いがあるようです。
私の考えは、私の住んでいる首都圏を前提としたでの話です。

一般的には、新しい家族としての他者(嫁または婿)をどうやって受け入れるか、つまり
彼らの意見を如何にプランに反映させるかが、大きなポイントではないでしょうか。

■価値観が異なる世代が異なれば、価値観が異なるのは当然です。2世帯住宅は、一つの住宅ですから、あ
る程度のデザイン的な統一性が必要となります。
ですから、ある程度お子さんの世帯の話を聞き、妥協することも必要だと思います。
お子さんの世帯もその逆のことが必要になると思います。
ですから一番望ましいのは、全体のまとめはどちらかの世帯がとりまとめ、内部に関して
はそれぞれの世帯が、個別にまとめていくというプロセスが必要になると思います。


■具体的には

・共用部のつくり方
玄関のつくり(玄関別は、集合住宅)
水回りの作り方、共用か

・各世帯間のプラーバシーをどうやって取るか。

・各世代の価値観を、尊重したデザイン

などでしょうか。

以上がお返事です。
ご質問が抽象的でしたので、お返事も少々抽象的かもしれません。

また何かあればお気軽にご質問下さい。
それでは今日は失礼いたします。