オンライン設計室
01:「明治」のリノベ
(2024.07.05)
2階建て木造住宅の耐震補強リノベーション計画です。
この住宅が建てられたのは明治。
これまで改修・増築を部分的に行ってきたそうですが、今回は全体的に耐震補強を行うリノベーションを行うことになりました。
まずは可能な範囲で現状の調査を行い、補強の方針をたてていきます。
外壁は化粧合板張りで、ポコっと出窓がある特徴的な外観です。
内部は壁は真壁、梁や根太が現しになっているため、躯体の架構がよくわかります。
シンプルな架構ですが、時代を考えると、金物や耐震壁は期待できません。
また、現代の標準と比べるとコンパクトな階高となっています。
階段は、梯子のようにかなり急です。
一段の高さは≒24センチとかなり高め。
これは緩やかな階段に造り替える必要がありそうです。
電気配線は、今では見なくなった「ガイシ」を使っていました。
露出させて固定する昔の配線方法で、きれいにならんで配線されています。
今では天井裏に隠して配線されるので気になることはありませんが、この時代は配線が露出するため、作業は今より丁寧だったかもしれません。
しかし、さすがにこれはやり替えます。
やはり100年以上前の建物となると、今の基準とは大きく異なっています。
耐震性や断熱性の向上など、手を入れる部分は多くありますが、今ではない古い造りを実際に見ることができるのは、とても興味深く、楽しい作業でもあります。