1.暮らしの環境

SB邸の敷地は約15坪。ただし建ぺい率80%、容積率700%は、住宅地の40%/80%などと比較するとうらやましいような条件です。
建ぺい率の影響もあり大戸さんはSB邸の敷地を「条件のいい15坪」だと言います。「間口と奥行きの関係がおおよそ1:2になっているのでバランスがとりやすい」のだそうです。 また、後ろや隣に公的機関やお寺があって、空地になっているのも魅力でしょう。
 
プランは、そうした空地と開口部を合わせるように計画されているため、都心の建物にもかかわらず「窓を開けると隣の壁」ではなく、視線が遠くまで抜けていきます。
こうした視線の抜けは、狭小地の計画では欠かせない要素ですが、SB邸は十分すぎるほどそれが実現されていました。
「下町での計画は、もとのお住まいが似た環境であることが多いので、寸法を絞ってもわりと平気なんですね」と、これも大戸さんの印象。
下町地域では、もともと狭小地に建物を建てて暮らしてきた例が多く、超コンパクトな状態に慣れている、ということのようです。
SBさんもすぐ近くのビル状の実家で育ってきましたから、広さだけでなく幅などについても厳密なスケール感をお持ちのようでした。
敷地をより有効に使う意味でも、自分が耐えられる最低寸法を把握し、狭くなるところと広がりを得るところのメリハリをきかせることが、狭小地の計画では特に大切になる、ということでしょう。

SB-HOUSEの出来上がるプロセスは、
<建築計画網・大系舎 HP> → <オンライン設計室>→<No.22 SBさんの場合>
を参照ください。
→(NEXT)
|