1,いろいろある「家」の選択肢

今回は、いつもといろいろと趣向が違います。
まず家が大系舎の森川さん、つまり建築のプロの自宅であること。
次に、小規模ビルの改修であること。
さらに工事は必要最小限に絞り、仕上げは自主施工が中心であること。
ほかにもいろいろ違うので、ここでも少し変えて、気づいた点を書いてみることにしましょう。
最初に驚くのは、やはり改修の話です(コンバージョン、リフォーム、リニューアル、リノベーションなど、ヨコモジは多々ありますが、わかりにくいのでここではまとめて「改修」とします)。
もとは、1階に不動産屋さん、2階にスナック、3階に事務所?(しばらくは空き室だったようです)という3階建てのビル。それを買って、自分の家にしようという発想は、やはりプロならではです。
「家がほしい」と思ったとき、古い倉庫やビルを探す人はまずいないでしょう。でも「中古の建物を改修して暮らす」と考えれば、それほど突飛なことではないことがわかります。
戸建てであれ、ビルであれ、既存の建物を自分たちの暮らしに合わせて改修できれば、好みの住まいは手に入ります。新築よりは制約が大きくなりますが、できあいのマンションの間取りで暮らすことを考えれば、自由度はずっと大きいはず。
改修と言えば、「長く住んできた家を直して使い続ける」イメージが強いかもしれませんが、新規取得時にも使える手法なのです。
ポイントは、適切な相談者を見つけて一緒にやること、「安い」ということだけで飛びつかないこと、でしょうか。
まず、希望する改修が可能か、耐震性は十分か、あるいは用途変更が可能かなど、プロの目と判断は絶対に必要です。また、改修といえども工事が大掛かりになれば新築並みにお金がかかるのは、「匠」のテレビ番組を見ていてもわかるはずです。
ともあれ、しっかりした予算計画のもと、信頼できるプロと一緒にやれるなら、「改修して暮らす」というのも有効な選択肢でしょう。
人口が減って、住宅がどんどん余る時代。一度、考えてみる価値は十分あると思います。(文 / 市川隆)
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