住んでから少し時間が経過した住宅の様子を
レポーターの市川さんを通して表現しています

横浜郊外の、住宅地に建つ木造2階建て住宅です。土地探しからはじめました。
-Vol.6-
シンプルな家
- KN-house -
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1.家のアイデンティティと街並み

 自転車で買い物行くの、大変そぉ……、そんな思いを抱かせる坂道のアップダウンを繰り返した先に、その住宅街は広がっていました。

 

KN邸のオンライン設計室でも紹介されている、いわゆる建売住宅街。同じ形の家が整然と並んでいます。その一番奥に、1軒だけ異な形のKN邸。右上が少し欠けた四角いファサードは、周辺の三角屋根とはずいぶん違います。でもあまり違和感がないのは、道路から奥まって建っているからでしょうか。

 この住宅街は、都心のミニ開発と違って敷地にゆとりがあります。形が短冊状のため、手前に庭と駐車場を置き、奥にサイコロに屋根を架けたような「箱型」の建物、という配置。ローコスト化を求められる建売住宅では、建物も単純な箱型が多いのです。
  ところが、KN邸も「住宅展示場でも、その予算では横浜で建てるのは無理だと言われた」(KNさん)ほどの金額で、ローコスト化を追求したため、図らずも配置や形が周辺とほぼ同じになり、違和感を消しているのかもしれません。
  考えてみれば、高級住宅街にポツンとローコスト住宅が建てば、あるいは安い建売住宅群のなかに1軒だけ豪邸が建てばかなり目立ちます。
  逆に、周辺と大差がない価格帯で家を建てれば、ファサードデザインによらずなじむ景観となるのかもしれません。

 家のアイデンティティを保ちつつ、周囲から浮き上がらないようにするには、そんな意外に簡単なところにヒントがあるのかも。
  周囲とまったく違うデザインでありながら、なんとなく溶け込んでいるKN邸のファサードは、そんなことを考えさせてくれました。

 

 

 

KN-HOUSEの出来上がるプロセスは、
<建築計画網・大系舎 HP><オンライン設計室><"シンプルな住宅"No.25 KN-house>
を参照ください。 

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