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2010年11月15日
オンライン設計室NO.39_MY-HOUSE開始
オンライン設計室NO.39_MY-HOUSEが、新しく始まります。
このプロジェクトは、山の手の住宅地に建つ築16年の建て売り木造住宅の増築および既存部分のリフォームです。
意外と知られていないのですが、木造の増築は、法律的にとても難しいものがあります。正確に言うと、つい最近までそうでした。
建築の法律として、戦後建築基準法が整備されてから、たびたび改正されて現在に至っています。
当然都市化が進んだり、地震の研究などが徐々に進み、古い法律の上に、より厳しい規制を上乗せしていくので、時間が経てば経つほどそのギャップは大きなものとなります。
従って、古い木造住宅、特に大改正が行われた西暦2000年以前のものは、多くは現在の法律に照らし合わせると、法律的には不適格として扱われます。
当時はきちんとしていたのに、今では適切でないと言われるのは、建て主にとって心外と感じられる方も多いと思います。
そして木造住宅を増築しようとするとき、つい最近までは、増築を許可される前提条件として、既存の部分を、現在の法律にすべて適合させる必要がありました。
しかし、既存の部分を現在の法律に適合させるとは、非常に大変な工事を伴います。
例えば、基礎の作り方や、柱梁の接合方法などを直す必要があり、実際には小さな増築の場合には、増築の何倍もの費用が掛かるのが現実でした。
ですから、多くの増築工事は、正式な許認可を経ないで、秘密裏に行われていたのが現実だと思われます。
・平成6年完成の住宅(設計は当事務所ではありません。)
・室内
しかし、平成20年にこの点に関して法律が改正され、古い木造住宅の増築に道を開くための緩和条件が整備さえれ、増改築が比較的に楽に出来るようになりました。
今回は、平成6年に建った築16の木造住宅の、たった7m2(約2坪)ですが増築を行い、加えて、既存部分をリフォームするプロジェクトです。
(ちなみに初期の設計は、当事務所ではありません。)
たった7m2の増築ですが、申請作業はそれなりに、労力が必要ですが、古い既存住宅の耐震化や、質の向上を目指すという意味はあると思います。
投稿者 ooto : 2010年11月15日 12:53 ツイート