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2006年3月10日
アスプルンド展
先日、松下電工・汐留ミュージアムで行われている、北欧スウェーデンの建築家・アスプルンドの展覧会を見てきました。
彼の作品は世界遺産に指定されているので、ご存じの方も多いと思われます。
有名な『森の礼拝堂』や、『森の火葬場、墓地』、そして『夏の家』その他の作品が、大きな模型、ビデオ、写真、図面で立体的に展示表現されています。
私は学生時代から、アスプルンドのファンでした。
学生時代に習ったアスプルンドという建築家は、アアルトの陰に隠れた少し地味な建築家でした。ただ森の礼拝堂などの叙情な容貌は、当時の教科書に載っていた白黒写真が、今でも瞼に焼き付いています。
ただ、今回こうやってアスプルンドを丁寧に見ていくと、学生時代に比べ少々見方が変わったのも事実です。
その一つは、彼の設計した建築の一つ一つが、ただ単に情緒的にできているのではなく、綿密に意図され構成を下敷きにできているという点に、驚かされました。建築家なので当たり前なのでしょうが(笑)
森の礼拝堂の、農家の外形に、パルテノン神殿のような半球のドームが内蔵されているということ。おそらく当時の近代的な設計手法から逸脱したこの建築は、逆に現代の薄っぺらな建築性に対して、新鮮な視点を提供してくれます。
密度の濃い、静謐な内部空間を実際に見てみたものです。
もう一つの発見は、彼の別荘、『夏の家』のいわゆるリビングスペースにありました。
彼のこの家は、周囲を周到に観察した結果の配置ですが、もちろんこの家から景色が一番よく見える場所に配置されています。
でもそれは、吹き抜けていたり、目立つ意匠が施されてた、だだっ広いリビングではなく、まるでコーナーともいえるようなさりげない場所に、居心地のよさそうな椅子とテーブルが配置されているというものです。
このさりげなさがとても気に入りました。
それにしてもこの場所は、とても居心地がよさそうでした。
いつのことからでしょうか、リビングが家の中心で、これ見よがしに威張るようになったのは・・・。
それにしても、平日の午後というのに、学生のほか一般に方と思える来館者が多く来ていました。一般の方の建築に対する関心は、高いのでしょうか?
この展覧会に合わせて、開かれたているアスプルンドの美しいホームページがあります。
このところ年度末の確定申告の整理の追われたり、春風邪にかかったりでHPの更新が進みません。
一段落したら、更新に力を入れますので、よろしく。
投稿者 ooto : 2006年3月10日 14:20 ツイート