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NO.38_TG-HOUSEができるまで

Vol.21:狭小敷地の工法について

(2017.08.28)

下町の敷地面積は、ほとんどが20坪から15坪程度の狭小敷地であることが一般的です。

下町の町割りは、古くは江戸時代から続く場所も多いようです。
特に、約3.6メートル程度の間口が狭い敷地も多いのが特徴です。
道路に面した商家では、間口の幅の広さが税額の基準になっていました。

3.6メートルとは、昔の単位で言うと2間です。つまり3尺×6=1.8メートルが1間であり、その倍で3.6メートルです。

3.6メートルの程度の敷地では、工事の方法を工夫する必要があり、足場を掛けられるかという点が、ポイントになります。

無足場工法とは、足場を外部に掛けないで、内側からだけで工事を済ませる工法です。
足場は、職人が外部から仕事をするために必要なのですが、40センチ程度のスペースを確保する必要があるので、建物の室内側のスペースが減ってしまいます。


ただしこの工法は建物の間口が広く確保できるというメリットはあるのですが、将来的には塗装の塗り替えが出来ないなどのデメリットもあります。

結局、どちらを選択するかは、施主に両者のメリット、デメリットをきちんと説明して、決定する必要があります。

ところでこのTG-HOUSEの敷地間口は、約3.6メートルでしたので、設計や工事の難しさを感じていました。
ただしこの敷地の隣接地が駐車場でしたので、工事期間中、お願いをして借地させていただくことが出来ました。
下町の慣習で、お互い様の心が通じて、気持ちよく工事をさせてもらいました。

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・向かって左側の駐車場を、工事期間中借地する。

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・借地は、足場、重機スペース、資材置き場、駐車場などに使った。

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・重機や資材置き場に利用。
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・借地に掛けられた外部足場