オンライン設計室
Vol.13:板金工事はすごい。
今回の工事では、板金屋さんが活躍しています。
この計画の外壁は、通称”なまこ壁”と呼ばれる、ガルバリューム鋼板波板金仕上げを採用しているからです。
また屋根仕上げも同材で、タチハゼ葺きという板金工法を採用しています。
この、小波板仕上げは、柔らかい陰影を落とすので、私はかなりいろいろな住宅で採用しています。
ところで、板金という仕事は、職人の作業を見ていると、楽しく、創造性あふれています。
板金の特徴とは、一般に言われる”乾式工法”ですが、工業製品に見られるような、単一で、無機的な表情ではなく、職人の作業にともなう、人間的で、時には芸術的ともいえる味が、滲み出てくる仕事が魅力的です。
このような楽しい作業なのですが、一般的に板金屋さんは、屋根の上など高い場所で作業するので、人の目に触れにくいので、今回はその仕事の一部をここで紹介してみます。
板金屋さんの工具の多さは、とても興味深いものがあります。
今回、板金工事を担当してもらった野村板金の、野村さんに板金の仕事に使われる工具を紹介してもらいました。
・完成予想CG(まだ養生ネットで、全景が見えない)壁と屋根の濃いグレーの部分。
・野村板金、野村さん。39歳。
板金屋3代目。父から仕事を習った。
・板金屋さんの工具。車に積んであったもの。これらは工具の、一部です。
<つかむ>、<切る>、<たたく>、<押さえる>、<こじる>ための工具。磨いであり、どれもピカピカ。
・"やなぎバサミ"。直線、曲線両用。
・”なまこバサミ”なまこ壁(小波板)専用はさみ。壁の波と同じ歯のカタチ。
・”タテギリ”直線用はさみ。
・つかみ金物小。
・同上中
・”掴み”=たたくために押さえる工具?
・足場の上で作業
・赤い下書きに沿って、掴み、折り曲げる作業。
”えぐり”という小さなはさみ。円を切りぬく。
・縦トイの穴を”えぐり”で切り抜く。
・トイ受け金物を差し込む。
・トイ受け金物の取り付け作業。
・樋が取り付け完了
工具には、展示会があるそうで、そこで仕入れてくるそうです。
高いところの作業に感謝です。