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2010年1月25日
オンライン設計室NO.36_TT-HOUSEのQ値計算
オンライン設計室NO.36_TT-HOUSEでは、建物の断熱性を検討しながら、計画を進めています。
そのためここでは、Q値(熱損失係数)という建物全体の熱の逃げにくさを検討しながら計画を進めています。
断熱性は、住宅の省エネ性と直結する大切な性能であることは言うまでもありません。
Q値とは、住宅全体の、熱を損失する係数であり、その結果それは住宅の断熱性能を表します。
住宅の全体の熱損失を少なくするためには、天井・屋根、そして床から熱が逃げるのを少なくする、つまり断熱材の仕様を上げるだけではなく、サッシやドアなどの開口部からの熱の損失や、換気による熱の損失を少なくすることで、達成されます。
このQ値計算をして気がつくのですが、壁や天井床などの断熱工法を、グレードアップしただけでは、住宅全体の断熱性を上がりにくいのです。ここでは、意外と開口部からの熱の損失は影響が大きいのです。
つまり、熱損失が少ないサッシやガラスの使用が必要になってきます。
最近では、ペアーガラスは最低限であり、LOW-Eガラスという仕様のガラスを使うことも必要になってきます。
つまり、全体のバランスが必要になるのです。
今回の裏磐梯計画は、長期優良住宅であることからも、次世代省エネルギー基準以上の仕様が必要になります。裏磐梯は、次世代省エネ基準の2地域であり、それに適合するような計画が求められています。
この裏磐梯計画では、Q値が1.25というように、非常に良いものになっています。
2地域の次世代省エネ基準では、Q値は1.9以上が求められていることから見ても、非常に良好です。
断熱材はセルロースファイバー、サッシに木製サッシ+LOW-Eガラスを採用していますが、特殊な仕様を採用して入るわけではありません。
なぜ、Q値が良いか考えてみましたがその理由は、特殊な断面計画にあることが分かりました。
今回の住宅は、屋根が大きく、2階の桁側は外壁面がまったくありません。
デザイン上意識していたわけではありませんが、丁度木曽の白川郷のような断面をしています。
つまり床面積の広さに対して、外壁の割合が非常に少ないからです。外壁が少ないので、熱が逃げることも少ないということなのですね。
喩えれば、人間が丸まって、表面積を少なくすることで寒さが和らぐのと同じ理由ですね。
そう考えると、白川郷を作っていた先人達は、Q値を計算しなくても暖かい住宅のデザインを行っていたということですね。
最後に一言。
先日『アバター』を2Dで見ました。
美しいすごい映像の世界でした。
是非もう一度今度は3Dで見てみたいと思いました。
投稿者 ooto : 2010年1月25日 12:25 ツイート