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2008年3月24日
RC構造の住宅その2-構造計画編
RC構造は、壁式構法とラーメン工法があります。
建築規模として、比較的小さな住宅では壁式構法が多く採用されます。
壁式構法はその名の通り、壁を組み合わせて支える構法です。
ただし、壁構造は、あまり大きな空間、例えば体育館、ショッピングセンターなどの空間をつくることは、少々不得意です。
住宅レベルの小さな空間では、ジャストサイズであり、採用されることが多いです。
壁式構造には柱がない(ラーメン構造)
ただし壁式構造は、計画上少し制限があります。
直方体の空間とは、壁が6面そろってを、安定した立体が完成出来ますが、面が不足すると強い立体をつくることが出来ません。
例えば、マッチ箱をイメージしていただきたいのですが、マッチ棒の入った引き出し状の箱を抜いてしまった外側の立体=4面は、すぐにつぶれてしまいます。
例にあげると間口が狭い建物に、ビルトイン駐車場を設置すると壁面が不足して、バランスを崩してしまいがちです。
ラーメンには、柱が必要
一方ラーメン構法は、柱と梁によって支えられる軸組み構法の一つです。
比較的大きな空間をつくることが得意です。ただ柱や梁のサイズが大きいので、内部空間の中に締める割合が高いので、じゃまになりがちです。従って、住宅の構造としては少数派です。
さて、実例のNO.27_TD-HOUSEでは、壁構造が採用されています。
その理由は、間口が狭いので、少しでも内部スペースを確保したいことが第一の理由です。
計画的には、2、3階に跳ね出し部分があったり、北側斜線でセットバック部分あたっり、一部高い天井があったりと、難しい条件でしたが、構造設計工房デルタの久田氏に、綺麗な構造躯体をつくっていただきました。
はじめは少々漠然としたイメージで、スケッチしていたのですが、模型をつくり、構造も徐々に視野に入れながら、つくっていきます。
NO.5_ON-HOUSEやNO.19_SY-HOUSEなどは、構造デザインの山領氏の協力を得ています。
いずれにしても、良い住宅を作るには、優秀な構造設計者の協力が必要となります。
□RC壁式構造の実例
NO.10_MK-HOUSE
NO.21_MM-HOUSE
NO.27_TD-HOUSE
□RCラーメン構造の実例
NO.5_ON-HOUSE
NO.19_SY-HOUSE
SY-HOUSE
SY-HOUSE
ところで、RC住宅の構造計画のプロセスはおおよそ以上なのですが、最近構造偽造事件を受けた、建築基準法の改正で、構造設計に大きな変化が生じています。
例の偽造事件で問題になったのは高層マンションなのですが、国土交通省は、法律改正で、低層の戸建て住宅レベルまで、規制を厳しくしました。
そのため、RCを含む全ての構造設計で、フレキシビリティがなくなり、設計の自由度が制限されてしまいました。現在まだ建築基準法の改正について収集がついていない段階ですが、今後基準の見直しを望むところです。
投稿者 ooto : 2008年3月24日 11:20 ツイート