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2007年5月30日
設計事務所の予算書
最近設計事務所に建築の相談に来られる方の幅が、以前に比べると多方面に広がっているようです。
特に最近気になるのが、ハウスメーカーや建設会社と、同じ土俵で比較検討されている方に多い、設計事務所への誤解のことです。
いろいろなところをリサーチすること自体は、情報化の時代ですので、当然のことだとは思いますが、そのときに一つだけ注意していただきたいことがあるのです。
それは、設計と施工が別であり、かつ施主の代理者である設計事務所の立場と、設計施工が一体であるハウスメーカーなどとは、決定的に、その立場に相違があることです。
一番誤解が生じるのは、基本設計の提案などにおいて、提出する予算のこと。
ハウスメーカーの住宅は、ほとんど商品として完成しているものを販売するので、依頼者は商品シリーズを指定して、広さが定まれば、すぐに価格が出てきて、あとは営業マンとの価格調整=値切り競争ということになります。
これは、ちょうど新車を販売店で買うのと全く同じ流れです。

一方、設計事務所経由の家づくりは、はじめは何も決まっていない全くのフリー状態です。
何も決まっていない状態から、約半年間かけて設計を完成させていくのが、建築家との家づくりです。
だから、はじめの提案などの時点では、材料、設備などほとんどのものが決まっていないので、そこで出される予算は、これまでの事務所の経験値でつくった予算=予測価格になります。つまりこれからつくる建築の価格とイコールではないのです。
提案に添える予算書ですが、これにはこの家づくりで総額どのくらい必要か、依頼者の立場に立って、算出するようにしています。
私の場合は、後で依頼者のお金が足りなくならないように、はじめは少し、余裕を持って多めにお伝えするようにしています。
多分きちんとした設計事務所は、私と同じように算出してくるはずです。つまり、価格競争することは、全く前提にしていません。
一方設計施工一体のハウスメーカーは、標準プランがあって、後はオプションで追加という方式なので、はじめは最小限の価格で出されるのが普通です。
ですから、両者から同時に見積もりと、※設計予算を取ってその価格を比較する時には、その違いをきちんと理解していただかないと、本来的に比較にならないと思います。※あくまでも予算であることに注意
建築家は、クライアントの代理者という立場なので、価格を下げると言うことは、クライアント自身が決断して、仕様や設備を下げることと同じ意味ということなのです。
最近そのようなことが、何度か続いてあったので、参考までにメモしてみました。
参照:"家づくり質問箱NO.51-設計事務所の出した予算書とは"
参照:家づくり質問箱
投稿者 ooto : 2007年5月30日 10:49 ツイート