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2007年5月18日
コンクリート打ち放し仕上げについて
最近、コンクリート打ち放し仕上げについて、再考を迫られています。
一部の人には、コンクリート打ち放し仕上げは、とても人気があり、仕上げに使ってくださいという要望があります。無機質で、シンプルなイメージを好まれるからなのでしょう。
ただし、この打ち放し仕上げを、外装として使うことは、最近私自身はおすすめしていません。
というのは、最近の雨が酸性化の傾向が強まり、いわゆる酸性雨となって建物を傷めやすいからです。
その理由は、コンクリート自身がアルカリ性であり、酸性雨にふれると、中性化してしまい、ぼろぼろになってしまうからです。
pH5.6以下の雨を酸性雨というのですが、日本に降る雨の平均値はpH4.8だそうです。
原因は化石燃料の燃焼による煤煙などの人工的な影響の他、火山活動の影響もあるそうです。
近年は、中国からの大気汚染の影響が大きいそうです。
町のなかで気をつけて観察すると、コンクリート打ち放し仕上げの外壁の劣化が目立ちます。
中性化すると外壁の表面が、ざらざらになり、埃を吸い込み、余計汚く見えます。
こうなると竣工時には、美しくシャープに見えた外観も、たった数年で汚くなってしまうものもあります。
こういった雨の被害を予防するために、通常打ち放し仕上げには、無色透明な撥水剤を塗布します。
衣類の撥水剤と同じような効果を期待しているのですが、通常数年で効果がなくなります。
数年後には、再塗布すべきなのでしょうが、足場の費用も必要だったりして、なかなかそこまで手が回らないことが多いようです。
そういった意味で最近は、RC構造の建物も、外観は他の仕上げを施すことをおすすめしています。
材料としては、タイル、金属板などいろいろあります。
外壁例:モザイクタイル(マイクロガード加工)
ただし、インテリアとしての打ち放し仕上げは、汚染の心配がないので、デザインとして活用するようにしています。
ナチュラルなテイストが、木やi石、左官などの自然材料と良くバランスするので、使いやすい感じがします。
その場合、前の日記に書いたように、外断熱と組み合わせて使うと、蓄熱体として活用できるので、一挙両得です。
和室壁1
和室壁
事例1:NO.21_MM-HOUSE
賃貸A:玄関
賃貸B:内壁の一部
賃貸C:曲面内壁の一部
事例2:NO19_SY-HOUSE
投稿者 ooto : 2007年5月18日 11:22 ツイート
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