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2006年8月 9日
住生活エージェントのガイドライン
経済産業省が、『住生活エージェントのガイドライン』という指針を出していることを知りました。
建て主にとって、雑誌やTV、そしてインターネットをはじめとする住生活に関する情報化は、むしろ情報の氾濫状態になっているようで、自分一人では選択できなくなっており、その隙間を埋めるように住生活エージェントとよばれる代理者=中間業者が乱立しているようです。
おそらくこれはこれまで行政の目の届かなかった新しいジャンルなのでしょう。
消費者にとってはトラブル、混乱などが増加して、経済産業省が乗り出してきたのだと推測されます。
内容的には、第3者による工事検査、耐震診断などの技術的内容を補佐するエージェントから、建築家や住宅メーカー、工務店の紹介する紹介型エージェント、銀行ローンや不動産、資産運用のアドバイスを行うフィナンシャルアドバイザー的なエージェントなど多種多様に存在しているようです。
私たち建築家に関連するのは、いわゆる建築家紹介エージェントです。
そもそも、私たち建築家は、クライアントの代理者であることが基本です。
施主の技術的、デザイン的な代理者であるべき建築家が原点だと思います。
こんなにシンプルで分かりやすい構造はないと思われます。
しかしそれでも建築家は、社会的には少々信用されていない存在なのでしょう。
阿部寛が演ずるTVドラマの『結婚できない男』も、偏屈で変わった人間だという建築家像が一般の方のイメージなのでしょう。
助演の高島礼子もエージェントのスタッフという設定です。
むしろエージェントにとっては、建築家とは気むずかしい存在で、扱いにくいという設定にしたほうが都合が良く、彼らの扱いは我々に任せなさいといったスタンスなのでしょう。(笑)
そういう意味で、このTV番組はエージェントを社会的な存在にするのに一役買っていると言えるかもしれません。
詰まるところ、現代は情報の出所、出発点が見えにくくなっているように思われます。
引用の引用、引用の引用の引用・・・・という連鎖が続きます。
さも何でも知っているように振る舞っていることが一番よく見えてしまう時代なのでしょう。
建築家紹介のエージェントたちは、私の知っている限り、多くの場合は情報を扱う専門家ではありますが、建築の専門家非常に少ないと感じています。
彼らは、情報を扱うのは上手ですが、建築専門家ではないという事実。そのことが、混乱する状態をつくっていることも事実です。
さてもう一つ感じているのは、インターネットの情報の質が変わって来たということ。
WEB2.0という用語をご存じですか?
YAHOOやGOGLEなど検索エンジンの急激な進歩で、情報が網の目のように張り巡らされ究極的には、情報は堂々巡りの世界=引用の引用の引用の・・・・・・という無限スパイラルとなっているということを示した新しい用語だそうです。
情報が軽くなり、出所が不明で、量の割には重要な情報にはなかなか出会わなくなっている現状です。
まあいろいろありますが、建築家が心がけるべきことは、自前でつくったオリジナルな情報をきちんと送り続けること。そんな単純な結論です。
投稿者 ooto : 2006年8月 9日 10:23 ツイート