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NO.78_SW-HOUSEができるまで

05:昔の仕様

(2023.03.10)

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今回の工事はほとんどが下地までのため、2階の住宅部分はおおよそ終了。
キッチンやトイレなどの設備機器の設置を待っています。

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(2階は設備の取付待ち)


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(1階の店舗工事が進む)


工事が始まって約2か月。
築60年近いある種ヴィンテージモノのこの建物では、工事を進めていくると、今では使われない昔の仕様の部分がたくさん出てきます。
かなりマニアックな部分がほとんどで、当時を知らない私には教えてもらわないとわからない所ばかりです。
経験の長い監督や職人さんの話が面白く勉強になります。


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わかりやすい部分ではスチールサッシ。
今の開口部のほとんどはアルミサッシに変わっていますが、昔はスチールサッシでした。
子供のころの学校の窓がこれだったのは覚えています。
アルミサッシはガラスとサッシの隙間をシーリングやパッキンで埋めますが、昔はパテだったそうです。


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この建物の排水管には鋳鉄が使われていました。今はほとんど塩ビです。
設備屋さんに話を聞くと、鋳鉄管の改修はかなり難しいそうです。


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言われてみなければ...なのがマイナスのビス。
写真は既存のドアの丁番です。
もちろん今でもマイナスビスはありますが、普通はプラスを使います。
昔は製造に手間がかかるため、プラスのビスよりマイナスのビスが主流だったそうです。


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すごくマニアックなものがインサート。
コンクリートの躯体から天井を取りつけるためにあらかじめ打ち込んでおく金物で、写真の羽子板状の金物を取り付けるための金物です。
この建物に使われていたのが四角いインサートなのですが、これにあう金物が今ではほとんどないらしいです。
隠れる部分なので、すごくマニアックな話。


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これは現場で見つかったものではありませんが、施主のSWさんが設置する予定の古家具。
とても良い感じのキャビネットです。
SWさんは古家具がお好きで、いろいろなものをお持ちです。
それらを使って、DIYで完成させていく予定です。
この家具をどう使われるのか楽しみです。


古い建物のリノベーションで見つかる古い仕様。
昔の造り方やその背景を知ることができ、とても面白い経験です。