TAIKEISHA 建築計画網・大系舎ロゴ

オンライン設計室

家づくり・リストに戻る

NO.31_NM-HOUSEができるまで

Vol.05:耐震補強工事_その1

(2008/01)

耐震補強工事その1(2008/01)


2007年12月に、工事工務店を、建匠に決定し工事費の詰めを行いました。
その結果、ほぼ予定金額に近づいたので、2008年1月に契約し、工事が始まりました。

事前に行われた耐震診断は、一般診断であり、いわゆる非破壊による調査が前提となっています。
従って、解体工事が進み、内部を直接目視出来る状態になり、はじめて全容が分かるという流れになります。

解体が進み、当初予定していた内容と異なる場合は、耐震補強の計算をやり直すという作業が伴うので、工事担当の工務店と、協力しながらの大変な作業です。

なお今回の耐震補強工事には、自治体から100万円の補助金が出ることになっています。

■耐震補強計画を再度、確認すると、以下の通りになります。

1,瓦屋根を金属屋根に変更する。
・重量の重い瓦屋根から、軽いガルバリューム鋼板屋根に変更

2,無筋基礎の補強
・鉄筋コンクリート基礎を既存の無筋基礎に抱き合わせる。
・隣地が迫っており、工事は内側から行う

3,耐震壁を追加補強を行う。
・筋交い、及び面材により壁倍率を確保
・1階と2階の壁ラインをそろえるため、壁を追加する。
・剛性の全体バランスを考えた配置

4,床面の剛性を確保
・既存荒床を、構造用合板で補強し、水平面の剛性を向上させる。

5,接合金物類
・現在の基準にあう金物類を追加補強する。


 


屋根軽量化工事(2008/01)
 


既存の屋根は、桟瓦葺きで、重量があります。

人間にたとえると、頭でっかちで、地震時には、頭が大きく振れるので、非常に危険です。
上信越・新潟地震では、瓦屋根の住宅の被害が大きかったことは、憶えていらっしゃる方も多いと思われます。

金属屋根に変えるだけで、0.3ポイント程度も有利になります。


耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・瓦葺きの既存屋根

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・安全のために張られた足場と養生ネット

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・瓦の撤去

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
瓦を撤去すると、野地板(杉板)が露出する。

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・屋根剛性を高めるために、野地板を撤去し、構造用合板を張る。

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・構造用合板を張り終わり、屋根の面剛性が高まった。

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
小屋裏側から見る。

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・ポリエチレンフォーム(雨音防止)+瓦棒用の桟を設置

耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・金属屋根葺き完了(瓦棒葺き)


耐震診断/耐震補強/屋根工事/NM-HOUSE
・ケラバ付近
以上で、屋根軽量化工事が完成。

 


耐震壁補強工事(2008/01)
 


構造壁をバランス良く増やすことが、構造補強を行う上では、一番重要な要素です。
この住宅では、隣家がせまっていて、外側から工事が出来ないので、内側から補強工事を行っている。
古い筋交いは、現在の適合基準にあわないので、新たに筋交いを追加している。

耐震診断/耐震補強/耐震壁補強/NM-HOUSE
・内壁を壊すと、木摺下地が出てきた。
筋交いの入り方、及び金物は現在の基準を満たさない。

耐震診断/耐震補強/耐震壁補強/NM-HOUSE
・断熱材は入っていない。金物類も現在の基準を満たさない。

耐震診断/耐震補強/耐震壁補強/NM-HOUSE
・新しい筋交いを入れ、補強する。金物をきちんと入れる。

耐震診断/耐震補強/耐震壁補強/NM-HOUSE
・コーナー付近の補強は、非常に大切である。


・既存の筋交いでは、基準に合わないので、新たに追加。
上下は、梁・桁の対して適合金物でジョイント


・補強金物を追加


・新たに断熱材を入れる。