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2010年3月10日

飯村さんの本

芸術状物質の謎―あの男が煙突から降りてきた
飯村 昭彦 (著) 出版社: 雷鳥社


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いつも写真でお世話になっている飯村昭彦さんが、本を出しました。
その本の名は、「芸術状物質の謎―あの男が煙突から降りてきた」といいます。

芸術状物質とは、彼によれば人が意図せずつくったもので、人が意図してつくるもの、つまりデザインをしてつくるものの、対極にあるものたちのことなのです。

飯村さんの写真を実見していただければ、分かりますが、彼のレンズで切りとられた絵は、大抵どこかで見たことがあるような作家がつくった美術作品のように思えてきます。

美術史をきちんと勉強したことはありませんが、抽象表現主義のような絵柄です。
しかし実はこれらは、普段では気にも留めないようなガード下の塗装の剥がれた配管だったり、古く汚れた電柱であったり、路地裏の錆びた鉄板屋根であったりするのです。
彼は、結局それらを発見し、レンズに納め、芸術状物質と命名しています。


彼の意識には、人間は大きな自然の一部であり、人の手が意識的に入らないものは自然に近いものであり、そういった物の中にこそが芸術と呼べるものが生まれると言っています。

また彼のレンズを通した絵からは、どこかユーモアが感じられ、そこにこそ人間の存在感を感じることが出来ると言っています。

ともかく見ていて楽しい本ですので、ぜひ本屋で手にとって見てください。

なお、3月10日(水)から20日(土)まで、阿佐ヶ谷の香染美術というギャラリーで、出版記念写真展を行っています。

投稿者 ooto : 2010年3月10日 17:44