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2009年5月11日
阿佐ヶ谷住宅
先日阿佐ヶ谷住宅を見る機会がありました。
阿佐ヶ谷住宅とは、前川国男が、昭和33年に設計に関わった、テラスハウスタイプの住宅群です。
阿佐ヶ谷住宅のことは、以前から知っていたのですが、杉並区内のどこにあるかは、知りませんでした。
たまたま近所に用事があった時に、始めて場所が分かりました。
なんだ、こんなところにあったのだというくらい、近くの青梅街道は、百の単位で車で、通過していました。

さて、この住宅群の魅力は、住宅群の配置にあります。
隣棟間隔は非常にゆとりがあり、道と庭と共有広場が、それぞれの関係を柔らかく結びつけて形成されています。
おそらく、人と人も、その延長線で優しい関係を築いていたのではないかと想像されます。

この住宅が建てられた昭和30年代は、私が幼少期を過ごした時代です。
私も同じようなスケールの隣棟間隔で建てられた社宅に住んでいたので、この住宅群のすまいのシーンは、リアルに目に浮かびます。
住宅の配置と、住人と住人の関係は、昭和のいにしえの時代の人間関係と直接的に結びついていると思います。
近所のおばあちゃんに面倒みてもらったこと、近所の人の目がいつでも守ってくれていたコミュニティーの強さ、優しさなどが、今は本当に懐かしく思えます。
しかし現在この住宅のような配置をしたからといって、優良な近隣関係を形成できる保証はないでしょう。
少なくとも、現代のコミュニティーを形成する人間関係は、こんなにあからさまな開放性はありません。

しかし、やはりこのゆとりある環境は、うらやましい限りです。
そう考えると、土地の狭さゆえに人と人の物理的な距離を必要以上に近づけてしまうことは、逆にまるで満員電車のように人間関係を遠いものにしているかもしれません。
実は、この住宅群は近日中に建て替え工事に入るようでほとんどの人は住んでいません。
もし、昭和の時代のすまいを、リアルに感じたいと思われる方は、是非足を運ばれることをおすすめします。
”阿佐ヶ谷住宅”で検索すれば、すぐに場所が分かります。
阿佐ヶ谷住宅日記(この住宅に詳しいサイト)
投稿者 ooto : 2009年5月11日 19:30 ツイート