その7
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基本計画を振り返って。
[10/20]基本計画を振り返って。



ここまでで、いわゆる基本設計の段階が終了しました。
整理のために、もう一度振り返って、まとめてみました。


まず、始めに大切な手続きとして、クライアントは設計事務所と、設計監理契約を
結んでいただきます。
設計監理契約書(当事務所の契約書)


設計監理契約を結ぶ時期は、設計事務所としてはなるべく早い時期にこしたことは、
有りませんが、普通は1案の計画案を作成して、良ければ結ぶのが普通だと思います。
会って相談したり、作品を見せてもらうのは、無料ですのでお気軽に訪ねることが、
良いと思います。
また、最近はインターネットにホームページを開いている設計事務所もかなり増えて
きておりますので、始めはメールなどで相談することも1つの方法です。

しかし、最終的にはきちんと建築家との事務所を訪ね直接相談することをお勧めします。
一般に建築家は、お人好しが多いと思っています。常識的な付き合い方で、相談すると
良いと思います。
建築家との相性、信頼度、作品の傾向など総合的に判断して、決めて下さい。


設計監理料は、以下の通り標準ですが、方法の簡略化などによっては調整可能です。
予算をはっきりと、設計事務所に伝え、相談してみることも可能です。

設計監理料(当事務所の料率表)




設計監理契約を結ぶと、本格的な基本設計の始まりです。

設計事務所の立場で家づくりを考えると、大きくは次の3段階のステップを踏みます。

@基本設計
A実施設計
B工事監理

設計から工事の流れ(図)

今回は、夏休みを挟みましたので、基本設計に実質3ヶ月かかりました。

・施主の希望の整理、
・敷地条件、法律条件、予算等の基本条件の整理と、可能性の研究
・基本計画案の作成、配置図、平面図、立断面図
・鉄筋コンクリート構造の基本計画、
・設備計画(電気、給排水)の基本方針
・スタディー模型やパースなどの作成
・日影図の検討
・概算見積り

などを行いましたが、通常この程度の時間(2、3ヶ月)をかけた検討が平均的で
あると思います。



さて、これから始まる実施設計は、主に基本計画で決めた設計内容を、専門技術的
に細かな検討を行い、設計図や構造計算書などを作成するものです。

今回は、鉄筋コンクリート造であり、構造の専門のエンジニアの協力を仰いでいます。
神戸の例を挙げる間でもなく、きちんとした構造計画は絶対に必要です。
また、電気、給排水設備の専門事務所の協力もお願いしております。

このように、住宅の設計とはいえ、私たち建築家は、構造や設備、場合によっては、
積算事務所等との協同設計で作業が進められます。

実施設計は、専門的な話が多いですが、出来るだけ分かりやすく紹介するつもりです。





その7おわり
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