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NO.32_YN-HOUSEができるまで

Vol.04:外部耐震補強工事

(2004/04)

外部耐震補強工事(2008/04)


1981年、2000年、及び2007年に、建築基準法が大改正されています。

それ以前の建物は、土台と柱、筋交いを緊結する金物が脆弱で、地震時に、土台と柱が引き抜かれ、倒れることが多いようです。
今回の補強は、外部から、柱、間柱、筋交いと、土台を、現在の基準に合うような、構造用金物と構造用合板を使って補強するものです。

この補強方法は、構造計算上、数字の反映できるものではないのですが、費用対効果としては、非常に実効性があると感じています。




・外部から、作業します。
室内側からだと、床を壊さないと土台が見え
ないので、外部からの方が作業が楽です。





・土台から45センチの位置で、カッターを入れ壁を、壊します。





・モルタルを撤去します。





・一部に、シロアリが棲息していました。幸い土台ではなく、
配管から水漏れが見られた、木ズリ(横の杉板)の一部だけ
で、土台や柱には被害がありませんでした。すぐに、防腐剤を
塗りました。





・土台と柱と筋交いが出てきました。
かすがい4本と釘で止まっていますが、これだけでは地震時の、
引き抜きの力に弱いのです。
ただし、これでも古い住宅としては良い方です。




・かすがいを撤去して、現在の基準の金物で、柱・土台・
筋交いを緊結します。
木材としての土台、柱、筋交いは腐れが見られず、良好です。





・補強工事が終了後、土台や柱に防腐剤を塗ります。





?防腐剤塗布が終わった状態。




?構造用合板を張ります。
その際、土台、柱、筋交いを、N50釘を使い、10センチピッチ
以内で、縫うように釘打ちします。
これで、柱、土台、筋交いが一体的になり、より一層引き抜き
に対して安全性が高まります。





?防風紙(タイベック)を張ります。



?最後にサイディングで仕上げます。





?シール工事を施し、完成。
この作業は、通して約3時間程度でした。
非常に効率よく、作業が出来ることが検証されました。





 

この補強方法の利点は

1,外部から作業が可能です。室内側からだと、片付け、解体など作業が大変です。

2,壁の中の、土台や柱の状態を肉眼で確認できます。(今回はシロアリ発見など)

3,応力分散型の構法なので、古い住宅向き。(ホールダウン金物補強は、応力が集  中するので、古い基礎に負担がかかりすぎる。)

4,費用対効果が高い。

5,比較的早く作業が可能です。

6,ただ部分的な補強工事なので、構造計算には反映しないが、実効性がある。