オンライン設計室
Vol.04:外部耐震補強工事
外部耐震補強工事(2008/04)
1981年、2000年、及び2007年に、建築基準法が大改正されています。
それ以前の建物は、土台と柱、筋交いを緊結する金物が脆弱で、地震時に、土台と柱が引き抜かれ、倒れることが多いようです。
今回の補強は、外部から、柱、間柱、筋交いと、土台を、現在の基準に合うような、構造用金物と構造用合板を使って補強するものです。
この補強方法は、構造計算上、数字の反映できるものではないのですが、費用対効果としては、非常に実効性があると感じています。
・外部から、作業します。
室内側からだと、床を壊さないと土台が見え
ないので、外部からの方が作業が楽です。
・土台から45センチの位置で、カッターを入れ壁を、壊します。
・モルタルを撤去します。
・一部に、シロアリが棲息していました。幸い土台ではなく、
配管から水漏れが見られた、木ズリ(横の杉板)の一部だけ
で、土台や柱には被害がありませんでした。すぐに、防腐剤を
塗りました。
・土台と柱と筋交いが出てきました。
かすがい4本と釘で止まっていますが、これだけでは地震時の、
引き抜きの力に弱いのです。
ただし、これでも古い住宅としては良い方です。
・かすがいを撤去して、現在の基準の金物で、柱・土台・
筋交いを緊結します。
木材としての土台、柱、筋交いは腐れが見られず、良好です。
・補強工事が終了後、土台や柱に防腐剤を塗ります。
?防腐剤塗布が終わった状態。
?構造用合板を張ります。
その際、土台、柱、筋交いを、N50釘を使い、10センチピッチ
以内で、縫うように釘打ちします。
これで、柱、土台、筋交いが一体的になり、より一層引き抜き
に対して安全性が高まります。
?防風紙(タイベック)を張ります。
?最後にサイディングで仕上げます。
?シール工事を施し、完成。
この作業は、通して約3時間程度でした。
非常に効率よく、作業が出来ることが検証されました。
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