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2016年2月 2日

消費増税前の駆け込みについて

10%への消費増税が近づいています。
2017年の4月からの増税ですが、今年(2016年)の9月契約分であれば、8%で良いという経過措置の取り決めがあります。
大手ハウスメーカーなどは、これを営業機会として、駆け込み需要を見込んでいるようです。


ただ、建築の工事費に関しては、注意が必要だと感じています。

単純計算すると、増税額の2%は非常に大きな額(ex.2500万円*2%=50万円)ですが、建築工事の半分近くを占める人件費は、人手不足であれば、連動してすぐに値上がりします。

そのため、増税前の駆け込み需要が増えれば、必然的に職人の人件費が急騰するのは避けられません。

増税前の駆け込み需要増で、いくら値上がるかという具体的なデータを持っていませんがが、少なくとも2%は越える値上がりになると予想されます。

結局増税後には、必ず建設需要は落ちますので、少なくとも職人不足に陥る時期をさけるのは、賢明な選択だと私は感じております。

しかし、このような増税前後の建築工事費の推移の現実は、一般の建て主にはなかなか伝わらないでしょうね。

20160202_01.jpg
・日経アーキテクチャーより


ここでは日経アーキテクチャーのデーターを参考に掲載しています。

この表の黒い実線を見ると、前回2013年の9月には、5%→8%の消費増税移行の、経過措置の締め切りで、大手ハウスメーカーは、驚くべきことに前年比で、30%以上の受注を行っていました。

しかし翌年は、一転して30%程度の受注減となっています。
見事な乱高下で、これほど多くの人々が駆け込んだことを示しています。


今回の2%の増税に関しては、前回ほどではないにしても、20%程度の受注増が見込まれています。


しかし確実な定価が決まっているような商品であれば、確かに2%の増額になってしまいますが、実際には、ほとんど時価の動向で決まる建築工事費に関しては、駆け込みによる節税をあまり期待しない方が良いと感じております。

これは前回の増税時にも、電化製品等の価格推移を見ると、結局増税後に、価格が下がっていたというTVのニュース番組を何度も目にして、記憶に残っています。

結局、最終的なご判断は、建て主のご意向を優先しますが、私の施主には、あまり駆け込み需要に振り回されないようにアドバイスしています。

昨今の人手不足の折に、増税のタイミングで混在した工事を急ぐあまりに、雑な仕事をされてもいやですね。

大きな買い物である家づくりこそ、冷静な判断が必要だと思いますので、くれぐれも注意して下さい。

そのためにも、建築の営業マンに踊らされることなく、冷静な専門家のアドバイスが必要だと思います。




投稿者 ooto : 2016年2月 2日 12:13