« 海の夕景 | メイン | 秋の日射し »

2013年11月15日

木造4階建て住宅という選択肢

下町地区に計画された木造軸組工法、4階建ての提案です。
残念ながら採用されず、実際には建築されませんでした。


4階建て住宅の場合、建築基準法上、耐火構造が要求されます。

これまで耐火構造が要求される場合は、RC構造か鉄骨構造で計画されますが、近年は木造在来軸組工法でも建築が可能になり、建築構造の選択肢が増えました。


木造住宅の最大の利点は、建物本体の重量が、RCや鉄骨造に比べ、1/2-1/3程度と軽いことです。
軽量であるということは、地盤に関しても強い地耐力を必要としません。


一般的に下町地区は、地盤が悪い場合が多く、その場合建築の自重が軽量である点は非常に有利になります。

この木造4階建ての提案は、木造の軽さを活かして、表層の地盤で成立する点を考慮して、提案しました。

東京の下町地区のRCや鉄骨造の4階建て建築の支持地盤は、通常30メートル以上の砂礫層になるのですが、ある程度表層の地盤に耐力があれば、軽量の木造建築であれば表層で支持することが可能になります。

30メートル以上の支持層まで達する杭工事には、かなりのコストが掛かるので、小さな建築では、コストのバランスを崩してしまいます。


ただこの場合、木造が最良の選択という訳ではありませんので、RC造や鉄骨造と並んだ構造として新しい選択肢が出来たという状況です。
現在使える、木造在来工法の耐火構造は、耐火ボードで包みこむ皮膜型であり、構造材としての木材は見ることが出来ないので、木造のデザインを活かすという訳にはいきません。
 
様々な条件が整えば、このような4階建ての木造在来軸組工法という選択肢がります。(5階建ての総木造は法律上今のところ不可です。)
興味がある方は、ぜひお問い合わせください。

 
20131115_01.jpg

20131115_02.jpg

20131115_03.jpg

投稿者 ooto : 2013年11月15日 23:09