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2011年5月14日
漆喰塗り
漆喰は、日本古来の左官壁です。
先日、とある会合で、左官屋さんと出会う機会がありました。
その時であった河西さんという左官屋さんから、自分が塗った漆喰壁のお店があるというので、見学に行ってきました。
原宿にある自然素材の衣類や雑貨を扱う、ナチュラルなテーストのお店でした。
室内の壁は、漆喰に少しだけ緑系のグレーに近い色が入っているもので、全体として落ち着いたインテリアでした。
また近づいて見ると、漆喰壁の表情は、微妙に荒く仕上げた感じで、とても好感がもてました。
しかし設計の立場から言うと、この表情を左官屋さんに出してもらうのは、左官職人とイメージを共有しなければなかなか実現できません。
普通の工事発注システムだと、左官職人は工務店任せになってしまい、結局サンプル帳からしかセレクトできないという残念なことになってしまいます。
実は左官屋さんに壁を塗ってもらうとは、画家に絵を頼むことと同じことだと感じています。
左官屋さんは、絵を描くように、左官鏝をつかい自由に壁を塗ることが出来ます。
ただ画家と同様に、左官屋さんにもいろいろな絵を描く人材が、多種多様で存在します。
職人としての矜持の心を持ち仕事をしている人と、単なる手間賃稼ぎで壁を塗っている人など様々です。
左官のサンプルとは、結局誰が塗ってもこうなるようにと、メーカーがつくったもので、職人の力をまったく活用していない代物なのです。
こういった意味でも、左官職は、設計の時点から決めておくことが、良いと感じています。
こんな単純なことが、左官屋さんの情報不足や、また今の建設工事発注システムの中ではなかなか実現が難しいものなのです。
実は、今漆喰塗りの住宅を設計中です。
今回の住宅では、漆喰壁を塗る左官職を事前に決めて、イメージの共有を行いながら設計を進めていくように考えています。
楽しみなプロジェクトです。
投稿者 ooto : 2011年5月14日 10:48 ツイート