ディスカッションを通して(2006/冬頃)
その後yaさんのご自宅に何度か足を運び、新居についてディスカッションを重ねました。
すでにお孫さんがいらっしゃるyaさんの住まいの目的は、老後を楽しく、安全に暮らすと言うことです。
このような家を、子育てする家と比較して、終の棲家と呼ばれています。
ここでは、原点に立ち戻り、終の棲家の設計方針をまとめてみました。

敷地の裏に立つ、大きな楠の木。
旧宅よりも、yaさんよりも長老。
『楽の住処』とは,老後を楽しく、そして安全にかつ楽に暮らす家
@老後を楽しく
『楽の住処』は、老後を快適に過ごすための住まいである。
一般的には、住宅イコール子育ての家というイメージがある。
しかし楽の住処は、生活の目的が子育てであった時代が終わり、老いていく時代を楽しむための住宅である。
老人の家だからと言って、地味につくる必要はないと思う。
強く表現することも出来るし、おとなしく表現することも出来る。
もっと自由で良いのではないかと思う。
老人は経験豊富であり、ものを見る目が豊かだと思う。
時には、老後の新しい自分を発見するために、思い切った表現を試みても良いと思う。
A安全に、かつ楽に暮らす(バリアーフリー) 1,『明るさ』に対する配慮
・自然光
・夜間照明の明るさ
2,『重さ』に対する配慮
・建具の重さ、滑り具合など
3,『高さ』に対する配慮
・段差=転倒
・エレベーター
・ゆったりした階段
・玄関まわりの配慮
4,『寒さ』に対する配慮
・輻射熱暖房
・断熱性能
・室内温度の一定化
5,『暑さ』に対する配慮
・自然通気
・屋根裏換気
・散水屋根
6,『分かり易さ』に対する配慮
・ユニバーサルデザイン
B建築は住み継がれる
・人の寿命より、建物の寿命の方が長い
・可変性を持たせる。
・町に対する配慮
・次に住む人を考えて。