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2011年11月15日
萬年橋
先日所用で、小名木川に架かっている萬年橋を通りました。
この橋は、昭和のイメージを色濃く残す橋です。
鉄骨構造物としては、東京タワーと共通する昭和の時代のものでしょう。
何で郷愁を誘うようなイメージを醸し出しているかというと、この鉄製の橋の作り方が、現代の鉄骨造とは異なり、リベットという鋲をつかって、鋼材同士を繋いでいるからです。
このリベット鋲は、現在使われている高力ボルトととはことなり、裏から見ても丸い鋲の頭のかたちをしています。
高力ボルトは、一般的なボルトとナットで構成され、裏から見るとナット見えます。
そしてこの現代のボルトは、一般的には人の目に触れないので、人からの視線を意識していません。
手早く施工出来るのですが、見て美しいものではありません。
一方、このリベット鋲は、裏が無く、両側方から見ても丸く、見ていて美しいものです。
鉄は熱いうちに打てと言われますが、熱く熱した鋲を高い場所で、叩いて固定していったそうです。
多分昭和30年代くらいまでこの工法が採用されていたと思われますので、当時施工された構造物には、この鋲の美しさが醸し出す雰囲気があるのだと思います。
このリベット鋲を工事できる職人は、危険と隣り合わせで、サーカスのような技が必要だったそうです。
実は、もう40年以上前に亡くなった私の祖父が、この職人チームの親方をしていたそうです。
地上から熱い鋲を、高い場所に放り上げ、上で受け取り、熱いうちにハンマーで叩いて成型したそうです。
このリベットには人の手がつくる暖かさのようなものが、乗り移っているのかもしれません。
子供の頃に亡くなった祖父を思い出し、少々熱く語ってしましました(笑)
このホームページに、リベット職人の話しが詳しいです。
投稿者 ooto : 2011年11月15日 11:26 ツイート