実施設計を進めるにあたり、重要なのことの一つは建物の地震や台風に対する
安全性を確保することです。
阪神大震災より
今回は、鉄筋コンクリート造を採用しましたが、その理由の第1は、住宅密集
地域ですので、防火や地震に対する安全性を確保しかったことです。第2の理
由は、スケルトン建築から出発して、徐々に仕上げて行く考え方に賛成をいた
だいたので、コスト的に可能であったこと。第3の理由は、私も施主も鉄筋コ
ンクリートが好きであったことです。
今回は、鉄筋コンクリートの薄肉ラーメン構造という少し変わった構造を採用
しました。ラーメン構造とは、柱・梁で構成される構造体です。ところが、一
見では普通柱や、梁に相当する部分が分かりません。これは、柱の形状を偏平
にして、柱の形が部屋側に出っ張らない様に、考えられたものです。そして、
通常の梁相当するのが、床板です。
この薄肉ラーメン構造は、ラーメン構造と壁構造を足して2で割ったような構
造体です。
今回のような敷地では、壁の配置が一方に片寄ってしまって、壁構造にするに
は、バランスが悪いし、かといって小さいので柱が邪魔であるので、最適な構
造として採用されました。しかし構造体のコストは少々割り高になるようです。
構造概要(構造計算書からの抜粋)
本建物は、地下1階地上3階建の鉄筋コンクリート造の住宅である。
構造計画は、X・Y方向ともに純ラーメン構造とし、X方向は、片持ち柱構造
、Y方向は薄肉ラーメン構造として解析を行う。
4本柱の為、Co=0.25として地震力の割り増しをし、設計を行う。
尚、本建築は吹き抜けがあるため、3層部分をAブロック、4層部分をBブロ
ックとして個別に検討を行い、4層部分は、半地下のため、4階建として設計
する。
構造設計図の一部
構造設計家の山領さんです。
その2おわり
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