
実施設計を進めるにあたり、重要なのことの一つは素材の選定です。
実施設計とは、計画したイメージを現実の素材に直していく作業です。
近年特に、材料メーカ−が加工度が高いものばかりを供給するので、
設計者の選択が非常に狭くなっているような気がします。
私の素材に対する考え方は、なるべく加工度の低い、木や鉄や、石膏
ボードなどの当たり前の素材を使って、上手い組み合わせを探ることです。
結局は、この方法が、一番自由で、安価で、美しいものが出来ると思います。
今回は、2つの素材の変わった使い方を試してみようと思っています。
1)カラースレートと、打ち放しコンクリートのコントラスト。
カラースレートは、もともと駅のプラットフォームの屋根に良く使われています。
波型の素材で、何処にでも見かけますが、あまり住宅では使いません。
今回は、この素材を見直し、打ち放しコンクリートと組み合わせて使ってみます。
カラースレートの写真1
カラースレートの写真2
北側の正面にこの素材を使ってみます。
北側立面図
最終案模型写真1
最終案模型写真2
2)木毛板を和室に使う。
木毛板は、倉庫や駅の天井に使われています。最近は、あまり使われませんが、私は
この素材が大好きで、何度か和室に用いております。
この素材は、木の屑を、セメントで固めたもので、廃品利用の素材でもあるので本当
に面白い素材です。
木毛板を天井に使った和室(設計:建築計画網・大系舎)
ともかく、今回はローコスト住宅ですので、廉価で、シンプルで、かつ加工度の低い素材を
使うことに専念しました。これらの素材は、時間が経過して、古びても、ある種の趣が出て
きますので、上手に年を取ってくれると思います。
その1おわり
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