その1
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素材の選択
素材のいろいろ。(98/4/15)





実施設計を進めるにあたり、重要なのことの一つは素材の選定です。
実施設計とは、計画したイメージを現実の素材に直していく作業です。

近年特に、材料メーカ−が加工度が高いものばかりを供給するので、
設計者の選択が非常に狭くなっているような気がします。

私の素材に対する考え方は、なるべく加工度の低い、木や鉄や、石膏
ボードなどの当たり前の素材を使って、上手い組み合わせを探ることです。
結局は、この方法が、一番自由で、安価で、美しいものが出来ると思います。

今回は、2つの素材の変わった使い方を試してみようと思っています。

1)カラースレートと、打ち放しコンクリートのコントラスト。

カラースレートは、もともと駅のプラットフォームの屋根に良く使われています。
波型の素材で、何処にでも見かけますが、あまり住宅では使いません。
今回は、この素材を見直し、打ち放しコンクリートと組み合わせて使ってみます。

カラースレートの写真1


カラースレートの写真2

北側の正面にこの素材を使ってみます。 北側立面図

最終案模型写真1

最終案模型写真2

2)木毛板を和室に使う。 木毛板は、倉庫や駅の天井に使われています。最近は、あまり使われませんが、私は この素材が大好きで、何度か和室に用いております。 この素材は、木の屑を、セメントで固めたもので、廃品利用の素材でもあるので本当 に面白い素材です。 木毛板を天井に使った和室(設計:建築計画網・大系舎)

ともかく、今回はローコスト住宅ですので、廉価で、シンプルで、かつ加工度の低い素材を 使うことに専念しました。これらの素材は、時間が経過して、古びても、ある種の趣が出て きますので、上手に年を取ってくれると思います。 その1おわり
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