私の事務所では、予算が厳しい場合、基本設計の段階で、信頼のおける工務店
・建設会社から概算予算を取ることにしております。予算が収まることを確認
した上で、実施設計に進み、無駄な回り道をなるべくしないように気をつけて
います。
設計事務所は、どうしても実施設計が終わり、工務店に見積りを出さないと工
事金額が出せませんので、予算内に終わるか依頼主は心配になるようです。
この点が、契約時に本体工事の見積りが出る、ハウスメーカーなどの設計施工
の仕組みと比べると、クライアントが不安に思われることのようです。
しかし、そう言った不安がある反面、設計施工は、金銭的に、施工会社の自己
管理になりますので、実際はどのように使われているかクライアントは、監理
するべきですが、そのような技術を持っていないと思います。
これは、設計施工(ハウスメーカーなど)の短所です。
その点、設計事務所は、施工業者とは金銭的な因果関係を持たないので、クラ
イアントの代理者として金銭面、工事面できちんと監理出来るのです。つまり、
設計と施工の分離の長所です。
ただ、気を付けていただきたいのは、本当にクライアントの代理者の立場で、
設計監理を行っている建築家(建築士)を選ぶ必要がある事です。
同業者としてとても辛いことは、施工会社(ハウスメーカー、工務店)と結託
して、設計料を2重(施主と工務店)に取っている方も多いことです。これで
は透明で、中立な建築設計事務所とは言えませんね
今回は、予算とほぼ同額の見積書が、上がってきました。
これで安心して、実施設計に進めます。
これが見積書です。
見積書1
見積書の詳細部分
このように、見積書はとても専門的でので、素人には比較・分析することは
ほぼ不可能だと思います。建築家は、この見積書を再度分析して、工務店と
調整します。通常、建築工事費はこの過程で、1、2割程度は簡単に上下し
ます。
それから、当日の打合わせメモです。細かな点を詰めました。
@平面計画
・キッチンに出窓が欲しい。
・キッチンのダイニング側の小壁をなくす。
・洗面所引き戸、背中側に棚(但し、ユニットバスのドアとの取り合いを考える。)
・洗面所の防水パン不要。
・ユニットバスの窓の位置を変更(風が通るように)
・1階のトイレの奥行きを取る。(その分収納の奥行きは浅くなる)
・ダイニングとリビングを簡易に仕切る方法を検討。
・地階の東側壁の出は、Y1通りまで下げる。(車の出入り)
・階段の手すり壁をなるべく多く。(構造の問題)
・外構の階段と大谷石の止め方検討
A立断面計画
・1階掃き出し窓のシャッターを付ける。
・霧よけを設ける。2階の大きな窓。
・1階の出窓は、下側を使えるように。
・地階階段室の窓。
・地階の窓は、防犯用の面格子取り付け
・内樋周りの軒先ディテール(汚れ防止)
・南側ベランダに木製の庇(ポリカなど)
・屋上、陸屋根部の外壁の穴の形状検討。
B仕上げ
・しな合板UC→PBt=12AEP,VP塗りへ変更(ご自分で塗られることもある)
・場合によっては、フローリングは、ご自分で貼られる。
C構造計画
・壁厚が異なる部位の、芯ずれと階段幅の検討。
・階段手すりの位置(開放性)
・中間部Y方向の繋ぎ梁の処理
D設備計画
・最上階の、室外機の置き方。
D今後の進め方
・大戸が1:50の平面詳細図を作成しながら、細かな検討に入ります。
・10月8日の業者見積書の状況を確認して、本格的な作業に入ります。
・もし、予算が合わない場合は、金額によっては、設計変更又は、他社への再見積りを行います。
以上
[10/08]業者見積書が出ました。(Bさんへのメール)
Bさん、こんにちは。
今日8日、予定とおり、****工務店から見積りが出てきました。
金額は、****万円です。向こうからの、逆提案も有りましたが、ほぼ
予算内の金額の目途がついたと思います。
ということで、今後は実施設計に向けて進めて行きたいのですがいかがでし
ょうか?
さて今の進行状況は、ほぼ基本設計は終わっている状態だと思います。
今後は、詳細図を書きながら、解決していく方法をとります。
ともかく、こちらは先日の打合わせ通り、平面詳細図のたたき台を完成させます。
ということで、取りあえず報告致しました。失礼いたします。
その5おわり
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