その5
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概算見積りを取りました。
[09/27]定例の打合わせ




私の事務所では、予算が厳しい場合、基本設計の段階で、信頼のおける工務店
・建設会社から概算予算を取ることにしております。予算が収まることを確認
した上で、実施設計に進み、無駄な回り道をなるべくしないように気をつけて
います。

設計事務所は、どうしても実施設計が終わり、工務店に見積りを出さないと工
事金額が出せませんので、予算内に終わるか依頼主は心配になるようです。
この点が、契約時に本体工事の見積りが出る、ハウスメーカーなどの設計施工
の仕組みと比べると、クライアントが不安に思われることのようです。

しかし、そう言った不安がある反面、設計施工は、金銭的に、施工会社の自己
管理になりますので、実際はどのように使われているかクライアントは、監理
するべきですが、そのような技術を持っていないと思います。
これは、設計施工(ハウスメーカーなど)の短所です。

その点、設計事務所は、施工業者とは金銭的な因果関係を持たないので、クラ
イアントの代理者として金銭面、工事面できちんと監理出来るのです。つまり、
設計と施工の分離の長所です。

ただ、気を付けていただきたいのは、本当にクライアントの代理者の立場で、
設計監理を行っている建築家(建築士)を選ぶ必要がある事です。
同業者としてとても辛いことは、施工会社(ハウスメーカー、工務店)と結託
して、設計料を2重(施主と工務店)に取っている方も多いことです。これで
は透明で、中立な建築設計事務所とは言えませんね



今回は、予算とほぼ同額の見積書が、上がってきました。
これで安心して、実施設計に進めます。


これが見積書です。

見積書1 

見積書の詳細部分
このように、見積書はとても専門的でので、素人には比較・分析することは ほぼ不可能だと思います。建築家は、この見積書を再度分析して、工務店と 調整します。通常、建築工事費はこの過程で、1、2割程度は簡単に上下し ます。 それから、当日の打合わせメモです。細かな点を詰めました。 @平面計画 ・キッチンに出窓が欲しい。 ・キッチンのダイニング側の小壁をなくす。 ・洗面所引き戸、背中側に棚(但し、ユニットバスのドアとの取り合いを考える。) ・洗面所の防水パン不要。 ・ユニットバスの窓の位置を変更(風が通るように) ・1階のトイレの奥行きを取る。(その分収納の奥行きは浅くなる) ・ダイニングとリビングを簡易に仕切る方法を検討。 ・地階の東側壁の出は、Y1通りまで下げる。(車の出入り) ・階段の手すり壁をなるべく多く。(構造の問題) ・外構の階段と大谷石の止め方検討 A立断面計画 ・1階掃き出し窓のシャッターを付ける。 ・霧よけを設ける。2階の大きな窓。 ・1階の出窓は、下側を使えるように。 ・地階階段室の窓。 ・地階の窓は、防犯用の面格子取り付け ・内樋周りの軒先ディテール(汚れ防止) ・南側ベランダに木製の庇(ポリカなど) ・屋上、陸屋根部の外壁の穴の形状検討。 B仕上げ ・しな合板UC→PBt=12AEP,VP塗りへ変更(ご自分で塗られることもある) ・場合によっては、フローリングは、ご自分で貼られる。 C構造計画 ・壁厚が異なる部位の、芯ずれと階段幅の検討。 ・階段手すりの位置(開放性) ・中間部Y方向の繋ぎ梁の処理 D設備計画 ・最上階の、室外機の置き方。 D今後の進め方 ・大戸が1:50の平面詳細図を作成しながら、細かな検討に入ります。 ・10月8日の業者見積書の状況を確認して、本格的な作業に入ります。 ・もし、予算が合わない場合は、金額によっては、設計変更又は、他社への再見積りを行います。 以上
[10/08]業者見積書が出ました。(Bさんへのメール)



Bさん、こんにちは。

今日8日、予定とおり、****工務店から見積りが出てきました。
金額は、****万円です。向こうからの、逆提案も有りましたが、ほぼ
予算内の金額の目途がついたと思います。

ということで、今後は実施設計に向けて進めて行きたいのですがいかがでし
ょうか?

さて今の進行状況は、ほぼ基本設計は終わっている状態だと思います。
今後は、詳細図を書きながら、解決していく方法をとります。

ともかく、こちらは先日の打合わせ通り、平面詳細図のたたき台を完成させます。

ということで、取りあえず報告致しました。失礼いたします。




その5おわり
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