福井大学50周年記念館コンペ(2000)
設計:建築計画網・大系舎+N.R.M
DATA
名称 :仮称福井大学50周年記念館
所在地:福井県福井市
構造 :RC構造2階建て
床面積:600 M2
 
福井大学の50周年記念館のコンペの提出案である。
N.R.Mの二宮氏との共同設計であり、映像デザイナーの西村氏の協力を得た。

応募案に添付した設計趣旨は以下の通りである

1,建築的思考から、環境的思考へ
私達は福井大学創立50周年記念館を計画するにあたり、"建築的思考から、環境的な思考への転換"という意識を強く持ちながら、デザ
インを進めた。これまで私達が慣れ親しんできた"建築的な思考"とは、デザインで言えば主にフォルムの形態操作のことであり、特に今
回のような記念性が高い建築であれば、重厚なシンボル性を伴う形態として表現することであった。
しかし、私達はこの記念館では、建築的思考とは異なる"環境的な思考"という新しい考え方で、デザインを行っている。ここでは、古い
意味での重厚なイメージとしての記念性や象徴性の表現は行わず、視点を変えて人間と環境のバランスの中から、見いだされる美しさ
や、居住性の良さを出来るだけ実現するようにデザインを行っている。

2,環境共生への意識
ここでは21世紀に人類が求められている"環境との共生"という大きなテーマを、効率一辺倒の追求ではなく、美的なデザインをともなっ
て表現し、その意識を次世紀に向けて宣言することがこの記念館には相応しいと考えた。
デザインの最大の特徴は、屋上及び敷地周囲の緑化システムである。地面からせり上がる南面の屋根がそのまま立面になり、屋根面には
屋上緑化が施される。背丈が低く、美しい絨毯状の緑地を、視覚的に楽しむことが出来るとともに、断熱性に優れた環境負荷を軽減した
省エネルギーの施設をつくり出す。このような表現は、悪化する環境への取り組みに対する意識を、新世紀に向けて宣言することであ
り、この記念館に相応しいと考えている。また視点を変えれば、こういったデザイン手法は、ランドスケープ・アーキテクチャーと環境
共生建築が融合した新しい型の建築を目指したものと言えるかもしれない。

3,建設プロセスをインターネット上で公開
この新しい記念館のことを、各地で活躍する福井大学卒業生や関係者、また地元の人々に知ってもらうために、インターネットを活用し
て、設計から建設工事含む記念館づくりのプロセスをウエッブ上で、公開することを提案する。インターネットを使えば、海外を含む各
地に点在する関係者は、ホームページを閲覧することで、容易に建設プロセスを体験することができる。このよう情報公開の活動を通し
て、関係者や地域の人々に記念館に対する親しみや連帯感をつくり出すことが出来れば、非常に有意義な施設になるはずである。

参考図面

1階平面図
2階平面図


animation



鳥瞰

前面

正面

裏面

内部

MODEL
MODEL
屋上は、ドイツの技術による薄膜緑化を提案
写真は、日本における事例

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